忍たま達の真夏の短編集

世話のかかる後輩(七松小平太) ページ48

※現パロで高１

『小平太…何度も言ってるでしょ？
物は壊しちゃダメって』

小「いやぁ、つい力強くやってしまって」

『ついじゃ済まされないわよ。今回は』

目の前にいるのはよく物を馬鹿力で破壊すると

噂のバレー部の後輩。

今回はボールを思いっきりアタックしたことによって

ボールが使い物にならなくなってしまった。

まぁ、いつもと比べればマシだが今回はそうもいかなかった。

『これで何度目なの！
いい加減にしないと部長としても先輩としても
困ります！』

小「す、すみません…」

後輩が申し訳なさそうに頭を下げる。

『全く…小平太のせいで他の子も迷惑してるの。
申し訳ないって思うなら次回は気をつけてね。
言っとくけど…次壊したら退部ですからね』

小「は…はい」

少しばかり注意すると後輩はさっさと部活の

後片付けに向かった。

何度も壊しているとはいえ、少し言いすぎたか…？

いや、何度も壊しているからこそこうして時には

厳しく叱るべきなのだろう。

まぁ、次は無いが。

後日

その日は部活の休みで私一人でバレーボールの整理を

している日だった。

休みとはいえ、整理をしときたかったのだ。

『はぁ？また、バスケ部の奴らここに置いたの？』

私の目の前にはバスケ部専用の道具が置かれていた。

(ネットとか立てるやつです)

『確かに奥に片付けるのが面倒なのはわかるけど、
こんな出入口の近くに置くことないじゃない。』

イライラしながら片付けようとすると

突然バランスを崩したのか柱が私の元に倒れてこようと

していた。

『え』

当たる！…と、思ったのだが中々痛みが来ない。

痛みも感じないほど酷く打ったのかと心配になって

目を開けると、柱は私とは逆方向に倒れていた。

『あ…れ？なんでそっちに倒れて…』

小「部長、大丈夫ですか？」

声のした方向を見ると後輩の七松くんがいた。

どうやら助けてくれたらしい。

小「バレーボールが落ちていたので片付けに
来たら部長が危なかったので逆方向に倒しました！」

『あのねぇ…』

助けてくれたのは嬉しいが、勢いよく倒したのか、

ヒビが入っていて今にも壊れそうだった。

『小平太、柱。ヒビ入って壊れそうだけど？』

小「あ…」

『はぁ…ほんとに世話のかかる』

小「す、すみません。壊してしまったから…
その…退部ですよね」

『何言ってるの？』

小「え？」

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