忍たま達の真夏の短編集

ツンデレ×泣き虫(笹山兵太夫) ページ39

『ヒック…ヒック』

乱「もう大丈夫だよ！今日は安静にしてね！」

兵「また、怪我したの〜？
ドジなだなぁ」

『うるさい、兵太夫！』

兵「毎日怪我しちゃってさ〜。
ほんとに抜けてるしドジだよね」

『そんなに言わなくたって…ヒッ、ク』

乱「兵太夫、言い過ぎだと思うよ？」

私は1年生のAで、よく怪我をする女の子です…。

確かにドジの自覚はあるけどいざ言われると

すごく嫌なんです…

『もう兵太夫やだ！三治郎、何とかして！』

三「そんなこと言われても…」

『兵太夫と同室でしょ？私が言ってもやめて
くれないんだもん！三治郎なら同室だし、
話聞いてくれるかもしれないじゃん！』

三「確かに兵太夫が悪いけど、その〜…」

『ん？けどなんなの？』

三〈兵太夫がAのこと好きで素直になれないから
意地悪してるだけなんて言えない…〉

『三治郎？おーい、大丈夫？』

三「あ、ごめん！用事思い出したからまたね！」

『あ…行っちゃった』

私は兵太夫と同室の三治郎にこうやってよく相談を

している。でもなんか、時々さっきみたいなお願いを

すると、いつも話を切り上げられてしまう。

『…お腹すいてきたかも。』

食堂におにぎりでも貰いに行こうと

足を踏み出した瞬間…

ドシーン！

『…また落ちた』

綾部先輩の落とし穴に見事に落ちてしまった。

早く出なきゃと試行錯誤していると上から

いつもの声が聞こえてきた。

兵「また落ちたんだ〜。
今日で5回目だよ？」

『う、うるさい！それより見たなら助けて！』

兵「はいはい」

あ、あれ？

いつもなら「それくらい頑張りなよ〜」

なんて酷いこと言うのに今回は素直に引き上げてくれた。

もしかしたら引き上げると見せかけて何か

意地悪をするんじゃないかと考えたけど特に

何もされずに済んだ。

兵「ほら、医務室に行くよ。
そのままじゃ痛いでしょ？」

『…ねぇ、なんで意地悪しなかったの？』

兵「え？して欲しかったの？」

『違うよ！いつもなら意地悪してくるのに
今回はあっさり引き上げてくれたから…』

兵「…それは自分で考えなよ。
まぁ、泣き虫なAじゃ無理かもだけどね〜♪」

『…やっぱりいつも通り意地悪』

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