忍たま達の真夏の短編集

大切な約束(久々知兵助) ページ4

※現パロ

『うわぁ！このネックレスかわいい〜！』

兵「へぇ、結構似合うんじゃない？」

『ほんと!?嬉しいなぁ…でもお値段高いなぁ』

兵「え？…あ〜、俺たちのバイト代じゃキツイかもね」

『うーん…残念』

兵「じゃあ、俺がお前の誕生日に渡せるように
バイト頑張るよ」

『え？いいの？』

兵「うん！」

『！ありがとう兵助！』

今から10年前の高校2年生の夏休み。

その日は俺と同級生で仲の良かったAっていう

友達がいたんだ。

Aはいつもドジを踏んでしまったり、

授業中に寝てしまって先生から怒られることがよくあった。

でも、誰に対しても優しくて、一生懸命で…。

そんなAに俺は惹かれていた。

でもそんなある日。

その日はAの誕生日だった。

俺は何とかあの日約束したネックレスを購入することが

できて、あとはAに渡すだけだった。

兵「おはよう。あれ？Aは？」

ク「おー、おはよう兵助！あいつなら遅刻じゃないのか？」

兵「いや、Aでも遅刻はしたことないだろ…」

先「はい、お前らー席座れー」

結局、あいつは来なかった。風邪でも引いてしまったのか

その時、先生が話し出した。

先「唐突だが…Aが転校することになった。」

兵「え」

俺も含めたクラスメイトが驚きの声を上げる。

勘「先生！どういうことですか!?」

俺の前の席にいる幼なじみの勘右衛門が質問する。

先「実は…１ヶ月前から転校の話を聞いていてな。
Aは……お前たちに別れを言うのが辛いから
転校する日までみんなには言わないで欲しいって…」

ガタッ！

勘「兵助!?」

俺はあいつの家まで走っていた。

なんだよ、言ってくれても良かったじゃないか。

別れを言うのが辛いからって…！

俺は授業とか校則とか、全部どうでもよくなり、

ただひたすらにAの家まで走っていた。

兵「…ハァ…ハァ…A！」

『！兵助…？』

ちょうど俺が家の近くまで来ると、既に荷物を

まとめてもう出発のような状態だった。

兵「馬鹿じゃないのか！別れを言うのが辛いからって…
何も言わずに行くことないじゃないか！」

兵「…兵助」

兵「俺、まだ…約束も果たせてないのに…」

『もしかして約束って…』

兵「これ」

そう言って、この前言っていたネックレスが入った

箱を手渡す。

『こ､これって』

兵「あの日、お前が欲しがってたネックレスだよ」

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