好きな子 = 俺の彼女 【 宮治 】

第124話 ページ31

これは私が悪い。持って帰るって治くんに言ったのに、侑くんにあげてるんだもの。
目の前では兄弟喧嘩勃発中だ。
こんなに近くでガチに近い喧嘩されるとめちゃくちゃ怖い。



治｢このクソが！！｣


侑｢いつも食ってんやからええやろ別に！！｣


治｢ええわけないやろアホ！！！｣


A｢け、喧嘩しないで...｣


治｢俺のために作ってくれたんや！！！！｣


侑｢お前来れん言うたんやろ？！勿体ないから食うてんねん！！！！｣


治｢やからって、ほんまに食うやつがあるか！！！｣


侑｢知るか！！お、これうまっ！！｣


治｢こんのっ！！｣


A｢っ！｣


グイッ！


治｢なっ！？｣



殴りかかりそうだったから、咄嗟に治くんの制服を思いっきり引っ張る。



侑｢んお...？｣


A｢...｣


治｢...Aちゃ｣


A｢ごめんなさい｣


治｢え｣


A｢私が全部悪いから怒らないで.....侑くんは何も悪くないよ.....｣


治｢いやそんな...｣


A｢持って帰るって言ったのに、あげたの私だもん。侑くん頂戴なんて言ってないし.......だから、ごめんなさい｣



泣くつもりなんてなかったけど、何故か涙が出てくる。
目の前にいる双子はびっくりした顔で...。



侑｢なっ、泣くなや！俺が悪かったわ！！｣


治｢俺が振り切って来んかったんが悪いんや！！｣


A｢うぅ...ごめんなさいぃ.....迷惑ばっかりかけて...私はほんとに、役ただずで.....｣


治｢何を言うとんの〜！｣


侑｢役ただずなんかやないやろ！迷惑もかけとらんし！！｣


治｢泣かんでや、ほんまに｣


すっ...


治｢泣かれると、どうしたらええかわからんくなんねん｣


A｢私は...また治くんを困らせて...うぅ...しかも、ご飯が好きだって、知っておきながら...私は侑くんにお弁当を...｣


治｢Aちゃんの作ったやつやから、どーしても食いたかったんよ。でも、また今度でええから、な？｣


A｢.....お昼は？｣


治｢まだや｣


A｢じゃあ、私のお弁当あげる｣


治｢Aちゃんの無くなるやん｣


A｢真莉に渡す予定だったおにぎり食べるからいいの｣


侑｢ええんかそれは...｣


A｢適当に言えば大丈夫...。量は少ないと思うけど...｣


治｢.....ありがとお、いただきます｣


A｢...美味しい？｣


治｢ん！今日もむっちゃ美味い！！｣


A｢よかった...ほんとごめんね...｣


治｢そんな気にせんでええよ｣


A｢...うん｣

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