【 MHA 】焦憬ヒーロー【轟焦凍】 (ページ7)

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Lesson 06 ページ7

彼の指に変化が起きていた。
割れるような、力の籠るような変化が起きている。

「……今、」

ばびゅんとでも効果音が付きそうな気持ちいいボールの跳躍だった。

あの痛み程じゃない、と彼は呟いた。
前はもう少し酷い怪我を負ったのだろうか。

「先生……、っまだ、動けます……！」
「こいつ……！」

先生は笑っていた。
この人こんな笑い方もするんだ。

しかし、この個性は今のままでは実用性が低い。

緑谷くんが先程まで使用していなかったのは、先生が言う行動不能、になってしまうからだろう。
更にこのように使う度に身体を痛めてしまう個性は他の個性と比べてキャパオーバーまでが早い。それに加え戦力の低下にも直結するようなもの＿＿

「次、A」
「え、わたしですか」
「はよ」

そんな個性でも尚、ヒーローを目指す。
即ち緑谷くんは志が強い。わたしなんて、まだまだだ。

「憧れちゃうなぁ」
「……へ？」

710.4m。
予想していたものよりも飛距離が伸びた。
緑谷くんのお陰だ、と思っておく。

「次は長座な」

「うわわ……。指、大丈夫？」
「あ、うん……！なんとか、入試よりかは」

無限少女と緑谷くんが話している。
でも、これで次の種目も出るとなると相当危険だ。
上体起こし等は特に、指に力を込めてしまう場合がある。

「あの……緑谷くん、」
「はいっ……！？」

無限少女が大笑いしている。
わたしは緊張していたのでへへ、と気持ち悪い笑い声だった。

「これ、わたしのハンカチ……を濡らしたんだけど、その……指、固定させて貰ってもいい？ほら、えっと、このままだと危ないから……」
「あ、ああありがとうございます！」

顔が真っ赤になっていて、もうこの人は死ぬんじゃないかと思ってしまった。