◯94◯ ページ8
.
後ろからその小さな手を握ると、キョトンとした顔でAが振り返る。
A「どうしたの隆くん？」
丸「ちょっと、Aに渡したいもんがあってん」
そう言って、Aの目の前にその“渡したいもの”を差し出す。
そして、握っていたその手のひらに乗せる。
丸「開けてみて？」
微かにコトッと音を立てて開いた、小さな箱の中には…
A「………隆くん、これ……」
丸「…遅くなってごめんな？」
そう言うと、Aはふるふると首を振って目に涙を溜めて、僕の首にぎゅっと抱きついてきた。
A「ありがとう……！」
Aに渡したのは、少し遅れてしまった、
結婚指輪。
僕たちふたりが夫婦であるという、唯一の見える証。
丸「A、指輪つけたるから貸して？」
A「うんっ……！」
箱から指輪を取り出して、Aの左手をそっと取る。
ゆっくりと、指輪をAの指に通す。
その次に、Aが僕の指に指輪を通す。
A「ふふっ。なんか、結婚式みたいだね」
丸「おん、せやな」
ふたり微笑み合って、そっと唇を重ねた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なな(プロフ) - 本当に温かい言葉ありがとうございます(´；ω；`)これからもよろしくお願いします！ (2016年3月11日 18時) (
レス) id: 2cf6f2a0d1 (このIDを非表示/違反報告)
すぅ - ななさん» 全然です！ ななさんにも事情というものがあるのですし。 ゆっくりゆっくりで大丈夫ですよ！ 気長に待ってますね♪ (2016年3月11日 16時) (レス) id: 040b9fbdf7 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - すぅさん» ありがとうございます…(泣)。最近更新が低迷していて本当に申し訳ないです……。にも関わらず応援メッセージを頂きありがとうございます！頑張ります！ (2016年3月5日 20時) (レス) id: 2cf6f2a0d1 (このIDを非表示/違反報告)
すぅ - 凄くキュンキュンしておもしろいです！！続きも楽しみです。応援してます！！ (2016年3月5日 18時) (レス) id: 040b9fbdf7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なな | 作成日時：2016年2月5日 14時
