透明の十字架 ページ1
ウボォーが拐われたことを知った電話口のクロロは、すぐに驚いたり慌てたりすることもなく冷静な口調で聞いた。
クロロ「残りの陰獣か？」
いや、それにしては仲間の前でウボォーを捕らえるなんてリスクだらけのことをする説明がつかない。けど、色々と考えてもそれはあくまで仮定にしかならない。今は追うことが優先だ。
「まだわからない。とにかくウボォーの方を追うから、また後でかけなおす」
そうして通話を切ろうとした時、クロロが落ち着いた声でこう言った。
クロロ「…待て、A。今からそっちにフィンクスを向かわせる。お前はフィンクスと交代して、その気になること、とやらを調べろ」
この状況下で、彼が下したこの判断の意図は私でも汲み取れた。人数の面から見てもこちらに圧倒的な実力差があるだろう。私がわざわざ行かなくてもいい。
それでも行こうとしたのは、ウボォーが大事な仲間だからだ。
「……うん、わかった。ありがとう」
でも、取るべき行動は本能ではない。私を含めた“皆”を、蜘蛛を守るために今すべきことは団長が下した判断の方が正解だ。
いくら相手が格下でも、ここが戦場だということを忘れてはいけない。１つのミスが命取りになるっていうのは、この世の理で、何処へ行っても変わらないんだから。
電話を切って、自分にもう一度言い聞かせてから息を吸った。
「うん。今皆が話してた通り、糸が悟られる前に助けに行こう。私は別件があるから一旦ここで抜けるけど、代わりにフィンクスが来るみたいだから途中で合流して」
シャルナーク「りょーかい。ホントに一人で大丈夫か？」
「うん、大丈夫。ありがとう」
マチ「相変わらずだね、まぁ頼んだよ」
ノブナガ「Aの代わりがフィンクスかよ…」
フェイタン「チッ、どうせならもっと使える奴寄越すね」
いや待て、ノブナガとフェイタンに至ってはわりとひどくないか？フィンクスに対して申し訳ないとかそういう気持ちがないの本当に笑えるな。
シズク「フランクリンはサイズ的に皆と同じ車には乗れないよね？」
こっちも何か可哀想…いや事実でしかないんだけど。
フランクリン「…じゃあオレはビール盗りに行ってくるわ」
「あ、それならついでだし街まで乗せて」
フランクリン「あぁ、いいぜ」
緊張感がないのは、実力と信頼があるからだ。
それに、“自分達は絶対に幸せになるべきだ”と私は思っている。だから、誰もそう簡単にはくたばってなんかやんないのさ。
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るなるん(プロフ) - 好きです！続き待ってます！ (2022年4月20日 18時) (
レス) @page31 id: a73b6209c2 (このIDを非表示/違反報告)
ナツメ(プロフ) - Eveさん» Eveさんはじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます！！これからもぼちぼち更新していくので気長に見ていただければと思います^_^コメントありがとうございました！ (2020年5月13日 0時) (レス) id: c7fe5650e1 (このIDを非表示/違反報告)
Eve(プロフ) - 初めまして！すごく面白くてあっという間に読んでしまいました！本当に応援してます。これからの展開にドキドキです。応援してます。更新心待ちにしています！！！ (2020年4月19日 20時) (レス) id: 718ab04592 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツメ x他1人 | 作成日時：2019年10月30日 23時
