六等星 4

悪党会議 ページ8

ヤクザ邸の近くまで来て車を停め、監視の目がないことを確認してから私達四人はやっと作戦会議に移る。

「ところで私はどんな役なの、リーダー」

後部座席から身を乗り出してクロロを見れば、彼もまた私を見て説明を始める。

クロロ「悪いが今日は脇役だ。頭はエドが取りに行く。Aはソラを連れて屋敷内の金庫を探せ。勿論邪魔するやつは殺していい」

今回はエドに花を持たせるのか。まぁクロロが決めたことだしそれに関しては別にいいが…ソラを連れて行くのは、さすがに危険すぎないか？

広い外でならソラを守る方法はいくらでもあるが、地の利がなく、かつ死角が多い屋敷内では彼を守りながら戦える自信がない。

「ソラは連れて行けない。危険すぎる」

すかさず抗議するが、それはあっけなくパシンと突き返される。

クロロ「いいや、お前とソラはペアだ。これは譲らない」

それでも引かずに目で訴える。私はまだ、誰一人守れるような器じゃないんだ。自分のことでいっぱいで、君みたいに大きくはない。

クロロ「…何がそう不満なのかはだいたいわかる。決して買い被ったりはしていない。お前は自分で思ってるよりも強いよ、A。
これは点検中のガバメントの代わりだ。好きに使え」

有無を言わさぬ落ち着いた声で、私を圧迫するように、そして解放するように言う。
話を聞いて、まだ納得はしていないけれどやらなきゃならないんだと思った。だから私は差し出されたリボルバーに手を重ねるし、この子を絶対に守ると覚悟を決めた。

エド「コルト・パイソンだ！357口径、装弾数は6発！美しいホルムだろう、高級品だから大事に使え！」

「オッケー、替え弾はないの？」

クロロ「ない。それに渡すのは一丁だけだ。特訓の成果、見せてこい」

なるほど、そういうことか。

「わかりました」

私は、前までの“私”とはひと味違うってことを、自分自身に見せなければならない。

クロロ「俺は外で屋敷内から出てくる奴を片付ける。再集合は…そうだな、30分後だ。それまでに全て終わらせろ」

エド「30分もありゃ上等だ！ヤクザのミートパイが作れるな！」

「うげ、そんなもん誰が食うのさ」

ソラ「ねぇ、ホントにこの人達が、今からヤクザを襲うっていうの？」

クロロ「あぁ、残念だがな。どうしてこんなに締まらないのか…でもまぁ、戦場に足を踏み入れたら、こいつらは別人だ。恐怖を感じても、怯える暇はないぞ」

ソラ「大丈夫。怖いことなんてないよ」

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