約束したから ページ18
「半年以上会ってない人を花火大会に誘う？普通」
軽めのワンピースを翻し、人混みを避けて10分かけて登った坂。サンダルなんか履いてくるんじゃなかったと後悔しながら辿り着いた高台に、彼は既に到着していた。
私の半年以上会っていなかった人に対する第一声を聞いて、彼は眉を下げて笑った。
シャルナーク「いいじゃん、いつ誘っても。それにいきなり連絡しても来てくれた」
そんなに華やかに笑いかけても何も出ませんからね…
彼から『花火大会に行こう』と連絡があったのはつい先週。七月上旬のことで、当然だがまだ念の特訓中である私はジャポンにいた。本来ならば断っていただろうこの誘いを受けたのには理由が１つある。
シャルナーク「久しぶり。会いたかった」
「うん、私も」
けれど、クロロに内緒で抜けてきたのでまた今日の夜中のフェリーでジャポンに戻らなくちゃいけない。もっとゆっくりできれば良かったんだけど、自分は修行をしている身なので文句は言えない。寧ろ来ることができただけラッキーだ。
「でも、何で突然花火大会なの？」
シャルと花火を見たことなんて一回だけしかないから意外だった。ただ単に祭りが好きなら出店も人気もない高台から花火を見るなんて、そもそもしないだろうし。
シャルナーク「何となく。去年、ここから花火がよく見えるってことに気付いてさ。Aと一緒に見たいなって思った」
「そっか」
宝物を、独り占めにしないのが彼の良いところだ。
見せてくれる、教えてくれる、共有してくれる。それってすごく有り難いことで、偉大なことだと思う。
いざとなった時、私はできるだろうか。
シャルナーク「あと10分あるね」
私達は高台のベンチに並んで座り、街を見下ろした。さっきまでいた場所がもうあんなに小さい。あの光の、ひとつひとつに人がいるんだなぁ…って、これ前にも思ったか？
「10分なんて、あっという間だよ」
シャルといれば、1時間でも、1日でも、１ヶ月でも一瞬のようにすぐに去ってしまう。彼はそんな人だ。だから10分なんて、息を吸うくらい短いに違いない。
シャルナーク「Aはそうなんだね。俺は、一生くらいに永く感じる」
「えっ、一生？」
シャルナーク「うん、一生」
びっくりして聞き返すけど、シャルは私の顔を覗きこんで笑ったまま、また『一生』と口にした。
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ナツメ(プロフ) - 緑那さん» 緑那さんはじめまして、作者のナツメです〜〜＼(^_^)／私も緑那さんのコメントを読みながらどきどきしちゃいました…！！めっちゃ励みになるし超嬉しいです〜〜(;_;)本当にありがとうございます！これからも頑張るのでぜひ読んでいただければなと思います！ (2019年6月25日 20時) (
レス) id: 11619fb97c (このIDを非表示/違反報告)
緑那(プロフ) - はじめましてコメント失礼します……！興奮しすぎてまとまってない感想を殴り書きしたら普通に文字数オーバーだったのですごく簡単になってしまうのですが、読んでるあいだずっとどきどきしてました。自分でもびっくりです読んでてめっちゃわくわくしました……！！ (2019年6月25日 17時) (レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)
ナツメ(プロフ) - すーさん» わー！！ありがとうございます！頑張ります＼(^_^)／ (2019年6月14日 6時) (レス) id: 11619fb97c (このIDを非表示/違反報告)
すー(プロフ) - 続き待ってます！ (2019年6月9日 13時) (レス) id: 53cfd44f92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツメ | 作成日時：2019年5月25日 23時
