二人のクソガキ ページ40
エド「A、お前が念能力を使うためにはまず第一に、このストッパーになってるものを取り除く必要がある。わかるか？」
モニターに表示されている私の体には、腹部あたりに30cm程ある剣の影が黒く落ちている。なるほど、これがストッパーか。中二病が好きそうだな、こういうの。
「これって実態あるものなの？」
エド「触れることは可能だろう」
「つまり腹からこれをえぐりだしちゃえばいいわけだ」
私が頷きながら呟けば、エドも同じように頷いて言う。
エド「痛みを伴うが可能だな。だが、そのやり方には１つ問題がある」
「何かやな予感」
エド「この念をかけた能力者の意思でしか、取り除けないという場合がある。そういう場合はその本人を見つけ出して殺すしかないわけだが…」
「…だが？」
エド「既に死んでいるという可能性もある」
「辻褄が合わないんじゃないの？」
エド「死後の念っていうのもあるのさ。生きてる人間が使う念よりも強力だ。お前の腹に刺さってるそれも、強い念だから死後の念の可能性は充分にある」
「クロロく〜んヘルプ、わかんない」
クロロ「簡単に言うと呪いみたいなものだ」
「オッケー理解」
エド「…生意気は変わってねぇな」
…おいおい、こんな時に皮肉かよ。まったく大人の余裕は何処に忘れてきたんだ？
「それはそうと、“他人の念能力を封ずる”なんてチート技、ホントに使えるの？なんかムカつくね」
机の上のコーヒーに砂糖を溶かしながら話を続ける。
エド「この世には様々な念能力がある。努力や素質に応じて望み通りのものにできるが、どんな念能力にも弱点がある。私の念能力を除いてな！」
砂糖をどっさり溶かしたコーヒーのマグカップを持ち上げる。
「どういうこと？」
エド「私が最強だということだ」
またまた変なこと言ってるよ、ってクロロと目配せをする。もう面倒だから私の代わりにあんたが聞いてくれ。
クロロ「エドの能力は、どんなものなんだ？」
げ、コーヒーまだ苦いな！！
エド「除念だ！聞いたことくらいあるだろう」
エドのその台詞を聞いて、クロロの目付きが変わった。除念って何だっけ。
クロロ「それじゃあ、Aにかかってる念も外せるんじゃないか？」
エド「勿論可能だ」
「だが問題がある？」
エド「よくわかったな」
クロロ「聞かなきゃ言わなかったもんな」
「そういうこと」
エド「まったく、勘の良いとこも変わってねぇな…」
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作者名：ナツメ | 作成日時：2018年11月19日 18時
