六等星 3

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決意と覚悟ページ39

やはり私は美少年を目の前にするとどうも緊張して本領が発揮できないらしい…それよりそろそろ喉が引っ付きそうになってきた。

「ここ、水道通ってる？水飲みたいんだけど」

『うん、向こうの部屋に台所がある』

ソラは指を差して教えてくれた。

「そっか、ありがとう」

思ったより気のいいやつなのかもしれない。
私は教えてもらった通りに台所へ向かった。

「おりょ」

覗きこんでみると、台所の机に突っ伏してクロロが寝ている。寝顔は珍しいな、意外と眉間に皺も寄ってない。きっと美味しいものをたくさん食べる夢でも見ているのだろう。

棚を開けて適当なコップを取り出す。食器はだいたい二人分。きっとソラもここに住んでるんだろうな、なんて考えながらコップに汲んだ水道水をグビッと飲み干した。想像してたより冷たい水が喉を潤して、体の下の方へと落ちていく感じがする。もう一杯いっとくか。

クロロ「……腹下すぞ」

二杯目を飲み終えたところでクロロがぽつりと呟いた。目は閉じている。何だ、起きてたのか。

「はは、フィンクスじゃあるまいし」

彼は昔から顔のわりには腹が弱かった。いや、顔のわりにはっていうのは余計かな。まぁいい。

「…私、どうしたらいいのかなぁ」

ずっと気を失ってたから、出てきた結果は知らない。でも何となくそうなんだろうなぁってわかっていた。

「念が使えたら、本当に強くなれる？」

クロロ「…お前次第だな」

もう、覚悟は出来ているのだ。

「そっか、私次第かぁ。そういうの大得意」

それを聞いたクロロは目を閉じたまま、ふっと静かに笑ってくれた。
これから行くのはまだまだ未知の世界だけど、その先にいる私が見たい。