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懐かしい人 ページ34

地上からその中を覗き込むと、薄暗くて、10mほど下の底の方がぼんやりと光っていた。奥へ続く壁にはちゃんと血文字でwelcome to Ed`s houseと書かれている。

降りていくクロロに続いて、私も下へと続くはしごに足をかけた。

クロロ「邪魔するぞ」

予想してたより大きな部屋に着いた。研究室だろうか。やたらデカい機械があちこちにあって、ガラクタまみれだ。
そしてクロロの視線の先には、保護用ゴーグルを付け、デカい機械を動かして溶接を行っている白髪の爺がいた。

エド「来たか!!!久しいなクソガキ!!」

保護用ゴーグルをずらしてもその顔は、あの頃からまったく変わっていない。

「変わってないね、エド」

懐かしさに、つい笑みが溢れた。どうやら、彼にとって私はまだまだクソガキらしい。
数年ぶりの再開を果たしたエドと抱擁を交わすと、懐かしい、薬みたいなエドの匂いがした。

クロロ「驚いたか?」

「うん。でもネタバレすごかった」

入り口に堂々とエドハウスって書いてあるんだからな。察したわ。

エド「まぁ適当に座れ。話はそれからだ」

そう言ってからエドはコーヒーの準備をするなどして、忙しなく動きはじめた。勿論用意するのは自分の分だけである。
私とクロロは顔を見合わせて、やれやれと思ってからぼろぼろになった客用のソファーに並んで腰掛けた。

「でもまさかエドがジャポンに居るなんて。旅に出るとか言ったっきり消息不明だったから、死んだとばかり思ってたよ」

10年近く会っていなかったのにも関わらず彼はまるであの頃のままだ。本当に年をとってないみたい。

エド「私は簡単には死なない。それにこの国は流星街(あの場所)と違って居心地がいい」

「そりゃそうだ。あそこより酷い場所はなかなか無いもの」

エド「はっは、そう言いながらも離れられないんだろう?」

「……まぁね。でもここじゃ、自由に武器を買ったり売ったりできないんじゃないの?」

彼は自他共に認める天才発明家だ。昔から色々な組織に武器を流して収入を得ていた。かつてのガンショップもその波長だ。

エド「それはあくまで表の話だ。逆に、臆病な奴が多いから犯罪を企てるのにはうってつけだな。邪魔が入らない」

確かに監視の目は薄そうだ。地下だし。

クロロ「エド、頼んでたものはできたか?」

世間話も大概にして、どうやら密かにエドとコンタクトを取っていたらしいクロロは彼にそう聞く。

エド「勿論だ。少し待っていろ」

一体何が出てくるのやら。

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作者名:ナツメ | 作成日時:2018年11月19日 18時

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