クソガキ ページ32
本当なら何時間でも何日でもショタに構ってあげたいところだが、クロロ団長様を待たせるわけにはいかないし、今日のところは大人しくショタには危害を加えずに解放した。
のは20分も前の話だ。
クロロ「おいA、どうにかしろ」
背後から着いてくる視線を横目に、クロロは呆れた口調で命令する。
「マジ…?」
クロロ「マジだ」
仕方なく振り返って電柱の裏からこっちを窺っているしつこいショタを見る。ったく……あれ隠れてるつもりか?
「なぁに?もう離してあげたじゃない。何がそんなに気にくわないわけ」
『貴方、何か企んでいるだろう』
自分が勝手に抱いた疑問のために、私達みたいな奴にいつまでも着いてくる度胸は認めよう。でも命は大事にした方がいい。これはショタに限らずだ。
「あのさー、君。知らない人についてっちゃいけないって学校で習わなかった?」
『学校には行ってない』
「あー、そう。じゃあ私が教えてあげるよ。保健の授業。命の拾い方さ、これからきっと役に立つぜ。さぁ“お姉ちゃん大好き”って言ってみな」
『……』
おいそんな顔で見るのはやめろ。
クロロ「まったく…ギャグセンスは変わらないな…最低だ」
それは最高の悪口。
「悪かったって。さぁこれに懲りたらさっさと逃げな。さもないと次はもっと最低なことを言うかもしれない」
『…別にいい。痛くも痒くもないから』
「しつこい」
女神でも仏でもないからチャンスはそう何度もない。つまり、これで終わりだ。
正しい姿勢、正しい持ち方で武器を可哀想なショタに向ける。彼はあんなにかわいいのに、両親は一体何処で何してるんだか。
「数えるのは3秒だ。全力で逃げろよ、クソガキ」
武器を向けても怖い顔しても、脅えないショタに敬意と同情を込めて、3秒もしないうちに引き金を引いた。
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作者名:ナツメ | 作成日時:2018年11月19日 18時