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大切な人 ページ23
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朝、1限と2限の休み時間に教室に行くと、すぐにいのちゃんが寄ってきた。
今にも泣きそうな震えた声で、「大ちゃんっ…」って呼んでくるから、「どうしたの？」って聞くと、俺の制服の袖をちょこん、と引っ張ってこう言った。
いのお「怖かったの…、
おれ、何か朝から変なの。
あの紙見てから、みんなおれのことを睨んでるみたいで…、
自意識過剰ってわかってる、自分の思い込みだってことくらいわかってるんだけど…、
どうしても怖いの…。」
震えているいのちゃんは、いつものいのちゃんからは想像出来ないくらい、怖がっていた。
いのちゃんにとって、それほど怖いことなんだ…。
やっぱりひかの言う通りだな…、
ありおか「大丈夫、
俺、ずっといのちゃんのそばにいるから。」
その言葉に安心したみたいで、いのちゃんはふわっと笑った。
俺は、その笑顔をずっとそばで見ていたい。
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作者名：るん | 作成日時：2017年1月26日 22時
