第40話 殺意とナイフ ページ42
夏油side
「誰だ」
「…え」
Aに押し倒されて、首筋には切れ味の良さそうなナイフが当てられていた。
こうなったのは数十分前
「おい夏油」
「…朝からなんだい？硝子」
「お前、Aの事好きだろ」
相変わらず直球だなと入学して半年足らずの彼女を見上げる。
硝子が立っていて私が椅子に座っているのだから当然と言ったら当然だ。
「…そうだけれど、何か問題でも？」
「真逆手を出したりしてねぇよな？」
「してないさ。
彼女が自ら良いと言ってくれるまでは、ね」
「猫かぶりやがって。
私の親友傷付けたら承知しねぇぞ」
泣かせたりしたら切ると物騒な言葉を残して硝子は教室から出ていった。
何を切られるのかは考えたくも無いので頭の隅に置いておく。
(それにしてもA、来るのが遅いな)
何時もは殆ど私と変わらない時間に来て本を読んでいるのに隣の席のAはまだ顔を見ていない。
(具合でも悪いのか…？いや、でも硝子はそんな素振りを見せなかったな)
「よぉ傑相変わらず早いな」
「おはよう悟。
君が遅いんだよ。いつもいつもギリギリでダラしないよ」
「はァ？俺の勝手だろ
つか、Aは？」
あれ以降名前で呼ぶようになった悟は私の隣に誰も居ない事を知ると不思議そうに首を傾げた。
「今日はまだ見てないよ」
「ふぅーん…そういやぁ」
悟はブツブツと独り言を呟いた後、何時もの悪巧みをした悪い顔で笑い爆弾を落とした。
「Aの部屋行ってこいよ」
ニヤニヤと笑いながら肩を叩く悟に殴ってやろうかとも思ったがどうせ無下限で防がれるだろう。
「悟…いきなりなんだ」
「好きなんだろ？まだ寝てるかもしれねぇぞ」
起こして来いよ、運が良けりゃ寝顔が見れるかもなと言われ、私自身も少しの期待と心配があった為Aの部屋に訪れた。
コンコン
「A？A、居るかい？もう少しで授業が始まるよ」
中からは物音少しせず、居ないのか若しくは寝ているのかどちらかだと一瞬考えたが寝過ごしたら大変だとドアノブに手を掛ける。
「…え」
鍵は掛かっていなかった。
掛かっていると思ってドアノブに手を掛けたものだからアッサリとドアノブが回り驚いた。
(そういえば…この間鍵が壊れたと言っていたな……)
あれから直したものだと思っていたがそういったことに無頓着なAが鍵を直す訳が無い。
起きたら説教のひとつでもしてやろうと申し訳ないながらも反応の無いAの為と己を叱咤し中に入る。
「A…入るぞ」
そうして、冒頭に戻る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
卯月@スイ(プロフ) - ナッツさん» コメントありがとうございます！！がんばりますね！ (2021年1月20日 7時) (
レス) id: 6ffd6a43ea (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - ニヤニヤしながら見てしまいました(^^)更新楽しみにしていますっ！ (2021年1月19日 22時) (レス) id: 528660073f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：卯月@スイ | 作者ホームページ：http://weareasas
作成日時：2021年1月14日 15時
