第3話 彼女の強さ ページ5
夏油side
初めて見た時から彼女は何処か変わっていた。
五条悟という傍若無人を前にしても冷静で家入硝子はマイペースで余り笑わないけれど彼女 八千草Aは全くと言っていいほどニコリともしない。
「五条悟は凄い人。
彼は何時か『最強』になるよ」
五条悟の術式を何も知らない私に軽い説明をすると投げやりにそう言葉を述べた。それ以上の会話はせず無言で一階から順に回っていく。
「後ろ!」
背後に居た──恐らく二級の呪霊が彼女に思い切り腕を振るう。
軈て轟音と共にコンクリートが割れ煙を立てた。
「……ックソ!!」
彼女が無事である訳が無い。
コンクリートは割れ生きていたとしてもボロボロの筈だ。直ぐに祓って彼女を助けなければ
「背後に居ると気付いたら直ぐに祓わないと」
「!」
「何してるの?」
視界が晴れた時、無事では無いであろうと思っていた八千草Aは無傷で呪霊を踏み付け悠々と立っていた
「行動が遅い。もっと早く呪力を感知しないと………次は死ぬよ」
「あ、あぁ…気を付けるよ」
言い訳するつもりは無いが此方は少し前まで素人だったんだ。其方の常識を持ち出されては困ると正直感じたが文句を言える立場にも無い。今のは彼女に助けてもらったのだ。
「…ん、五条が全部祓ったみたいね」
不意に上を見た彼女は太腿からあるスリットスカートから露出している太腿に装着した武器ホルダーから『鞭』を取り出し振り下ろし呪霊を祓った。
「…凄いね」
「?」
彼女は本当に訳が分からないと言った様子で首を傾げた。
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卯月@スイ(プロフ) - ナッツさん» コメントありがとうございます!!がんばりますね! (2021年1月20日 7時) (レス) id: 6ffd6a43ea (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - ニヤニヤしながら見てしまいました(^^)更新楽しみにしていますっ! (2021年1月19日 22時) (レス) id: 528660073f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:卯月@スイ | 作者ホームページ:http://weareasas
作成日時:2021年1月14日 15時