幸福な未来へ ページ50
.
「
「郁依〜」
保育園の外から若い夫婦に呼び掛けられ、外で遊んでいた水色の制服に黄色い帽子を被った少年が機嫌悪そうに駆け寄っていく。
「おそい!なんで父さんもいるんだよ」
「ごめんごめん。月夜が準備終わらなくて」
「ごめんなぁ郁依」
「そうだ郁依。また乱暴したのね?
駄目よ?暴力に訴える人は皆弱いのよ」
「あそこのやつら、バカばっかでつまんない!
おれ、母さんといたい」
「だからってダメよ?」
「…はぁい」
「今日はAの要望で外食だぞ〜」
月夜と呼ばれた男は少年──郁依の手を取り笑った。
「母さんほんと?」
「えぇ、ほんとよ。久しぶりに何食べたい?」
Aと呼ばれた女もまた郁依の手を繋いだ。
郁依は先程までの不機嫌そうな顔がまるでなかったかのように、交互に父と母の顔を見上げて何が食べたいかリクエストしていく
「オムライスはどうだ?」
「父さんのご飯ばっかで飽きた」
「カフェの試作で最近は多かったもんね」
「母さんはりょーりしないの?」
「知らないのか〜郁依?Aは家事全般が苦手なんだぞ」
ああ、と納得した様に郁依は頷いた
「ご飯は何がいい?」
「えっとね──」
手を繋ぎながらテンポよく話す彼等は
嘗て彼等が求めた幸せな家族だった───。
ー完ー
****
こんにちは、作者の卯月@スイです
これにて、「強く易しい光柱」は完結になります。
本来なら時透双子のお話と獪岳のお話を入れる予定でしたが入らなかったので…。
作者が至らないばかりに申し訳ないです
今回の主人公 八朔日Aについてです。
彼女は左腕が義手だった為、双子の頭を同時に撫でる時は必ず右手で撫でていました。
その理由は「人のぬくもりを感じられるから」です。
相手にとっても自分にとってもぬくもりがあった方が嬉しいと考えていた為Aは右手でしか撫でたりしませんでした。
双子はこれから獪岳の不在時、屋敷を護り何時でもAが帰ってこられる環境にします。亡くなっていてもお盆は帰ってきますからね。
獪岳は柱となり、黒死牟と戦います。
原作では鬼となりましたが修行していた為遭遇はせずにそのまま、不死川兄弟や悲鳴嶼さん、時透双子、そして善逸と共に黒死牟を打ち破ります。
玄弥や双子は死なずに生き残ります。
獪岳は最後まで生き残り八朔日家の人間として生きていくという裏設定があったりします。
ラストの彼らは想像通りです(笑)
皆様最後までお付き合い頂きありがとうございました!
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卯月@スイ(プロフ) - 櫻子さん» お楽しみに頂きありがとうございます! (2020年6月3日 20時) (レス) id: ef0564ef41 (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品更新楽しみにしてました、お疲れ様でした! (2020年6月3日 15時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
卯月@スイ(プロフ) - 奈雪さん» コメントありがとうございます。こういう柱がいたらいいな、から始まった自己満足の物語にも関わらずそんな風に言っていただけて嬉しいです。読んでいただきありがとうございます! (2020年6月2日 22時) (レス) id: ef0564ef41 (このIDを非表示/違反報告)
奈雪(プロフ) - コメント失礼します。此の物語が大好きでした...!完結、おめでとうございます。読むたびに何故か泣いてしまいました。素晴らしいお話に出会わせてくださりありがとうございました(上から目線っぽくてすみません) (2020年6月2日 21時) (レス) id: 5baed18305 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:卯月@スイ | 作者ホームページ:http://weareasas
作成日時:2020年4月1日 16時