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闇は光の手を取る ページ47

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「私は後悔していないよ。
これは私が決めた選択だ。誰にも兎や角は云わせない

いつか訪れる幸福なる未来の為に私は生命を使うの
大切な人が泣かなくてもいい未来を作るの」



俺がある晩、云った時にAはそう返した
俺も鬼殺隊に入ると云うと悲しげに笑って後悔しない?と聞いてきたのでAと同じ言葉を返してやった


月「Aが光の呼吸を極める隊士になるのなら俺は闇の呼吸を極める隊士になるよ
Aの光を強く、強く、照らす為に」

「なら、私はもっもっと闇を深くしよう
月夜の闇が深まるように」


そう話しあった日から俺は鬼殺隊に入るべく弛まぬ努力をAと続けた
そうして月日は流れAと共に過ごして十年が経った。
鬼殺隊に入った俺達は毎日、毎日戦い続けた。
消耗する毎日で顔馴染みがいると心が安らぐのは必然で俺にとってAが「特別」になるのは当然でAにとってもそれは同じだった。とはいえ、俺にとっては前から特別だったが…。
俺達は俺達を互いに必要とし、支えにして生きてきた。
15で柱になった俺達はたくさんの人を救い、たくさんの人の生命の終わりを見た
それでも俺達は戦った

Aは人々を護る為に
俺はAを護る為に


【光が在れば闇が在る
光が輝けば輝く程闇は深く深く影を落とす。我等はふたつでひとつ
どんなに遠かろうと引き裂かれようとも
必ず、我等は隣に立っている


光と闇は常に共にあり】


だなんて云って、どちらかが死んでも立ち上がれるように言葉を作った
それはAにとって十分な言葉だったようで結局俺は死んでしまったけれどAはその後八年も生きた
十分だった
俺が死んで空っぽになったAをずっとずっと見守ってきた。
ある日、Aが獪岳という少年を継子に迎え入れた。
揃いの銃を玄弥という少年にやった
双子の有一郎と無一郎を家に迎え入れた

それからの日々はあっという間でAは幸せそうに笑っていた
前のAに戻ったようで俺は安心した

目の前にいるまだ戦おうとしているAを見て顔を歪めた


もういいよ。もういいんだ
お前はよく頑張った、もう、戦うのはやめよう。
その言葉遣いもやめていい
そうやって偽って強がらなくてもう、いいんだ。
心苦しいが次世代に任せて見守ろう


月「A」


俺は呆然と立っているAにそう呼びかけた


俺の愛する人
お前が俺と出逢ってくれたから俺は良い人生を歩めたよ。
彩り鮮やかな世界にしてくれてありがとう
離れてしまった分、たくさん話そうか
時間が許す限りたくさん…。

これからは一緒にいようA───


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光柱、彼女のただひとつの「望み」→←闇柱、若月月夜の独白



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設定タグ:鬼滅の刃 , 鬼殺隊 ,   
作品ジャンル:アニメ
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卯月@スイ(プロフ) - 櫻子さん» お楽しみに頂きありがとうございます! (2020年6月3日 20時) (レス) id: ef0564ef41 (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品更新楽しみにしてました、お疲れ様でした! (2020年6月3日 15時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
卯月@スイ(プロフ) - 奈雪さん» コメントありがとうございます。こういう柱がいたらいいな、から始まった自己満足の物語にも関わらずそんな風に言っていただけて嬉しいです。読んでいただきありがとうございます! (2020年6月2日 22時) (レス) id: ef0564ef41 (このIDを非表示/違反報告)
奈雪(プロフ) - コメント失礼します。此の物語が大好きでした...!完結、おめでとうございます。読むたびに何故か泣いてしまいました。素晴らしいお話に出会わせてくださりありがとうございました(上から目線っぽくてすみません) (2020年6月2日 21時) (レス) id: 5baed18305 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:卯月@スイ | 作者ホームページ:http://weareasas  
作成日時:2020年4月1日 16時

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