才無き鬼狩り、不死川玄弥の独白 ページ42
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母ちゃんが死んで数年後、Aさんは俺が納屋に隠れているのを保護してくれた人だった。闇の中から突然現れて金色の瞳で寝転がっていた俺を見下げた。
初めは怖い人だと思った。何も云わず、何もせずただ俺を眺めているだけ。
刀を持っているし下手人かと思った
でも襲って来ないし何方かと云えば硬直していたから驚いただけだと直ぐにわかった
「少年、親はどうした」
玄「…死んだ」
その当時の俺は母ちゃんを殺したのが兄ちゃんだと思っていた、何故母ちゃんが消えたのかも良く理解していなかった事もありなんて答えればいいのかわからなかった
「…そうか、兄弟は?」
玄「…兄ちゃんが居るけど、何処に行ったのか分からない」
「私は八朔日A…説明が難しいが悪い人間では無い」
玄「不死川、玄弥」
俺と同じ目線にしゃがみこんで話してくれたAさんは傷だらけの俺を見て目を見開いた
「不死川…ねぇ、まぁ同じ名字の可能性もあるか…。その傷はどうしたんだ?経過を見る限り数年は経っているか…何があったか話せるか?」
玄「…ヒグッ」
「は、おい何故泣く?私が何をした」
家族が死んで悲しいやら兄ちゃんが分からなくなってしまったこと、久しぶりに人の体温に触れたこと、そして多分緊張状態が解けたこと、それらによって一斉に涙が溢れ出てくる
「子供の扱い方なんて分からないんだが…」
ぎこちない手つきで俺の事を撫でてくれた時安心して更に泣いてしまった。
「困ったな…次の場所に行かなければ不味いが…子供を放置するのも…」
泣き止んだ後、特有のぼんなりとした中でうんうんと唸るAさんの羽織りを逃がさないようにとギュッと掴む。
今思えば恥ずかしいが頼りがいない以上仕方なかった。
「…仕方無い、か」
あまりにも簡単に俺の手を離したAさんは俺の目の前にしゃがみこんだ
「ほら、早く乗りなさい。安全な場所に連れて行ってやる」
背中に乗った俺をしっかりと持ち上げて夜の田圃を歩く。道中に話をした。何故母や兄弟が死んだのか…兄が居なくなったのか…。
「なるほど。お前の母は恐らく…いや、間違いなく『鬼』となったのだろう。
『鬼』とは人を喰らうモノだ。私は、私達はそれを滅する為に存在する『鬼殺隊』」
玄「でも、母ちゃんは人間だ!」
「嗚呼、そうだな。だが『人間』を『鬼』にする存在が居るんだ。その名は『鬼舞辻無惨』……お前の兄は玄弥、お前を護る為に戦ったのだろうな」
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卯月@スイ(プロフ) - 櫻子さん» お楽しみに頂きありがとうございます! (2020年6月3日 20時) (レス) id: ef0564ef41 (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品更新楽しみにしてました、お疲れ様でした! (2020年6月3日 15時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
卯月@スイ(プロフ) - 奈雪さん» コメントありがとうございます。こういう柱がいたらいいな、から始まった自己満足の物語にも関わらずそんな風に言っていただけて嬉しいです。読んでいただきありがとうございます! (2020年6月2日 22時) (レス) id: ef0564ef41 (このIDを非表示/違反報告)
奈雪(プロフ) - コメント失礼します。此の物語が大好きでした...!完結、おめでとうございます。読むたびに何故か泣いてしまいました。素晴らしいお話に出会わせてくださりありがとうございました(上から目線っぽくてすみません) (2020年6月2日 21時) (レス) id: 5baed18305 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:卯月@スイ | 作者ホームページ:http://weareasas
作成日時:2020年4月1日 16時