光柱、嘗ての彼を見て思ふのは ページ16
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少し前に成長した玄弥が顔を見せに来た
鬼殺隊の人間となり戦う事を選んだと告げに
才能が無いと分かっていた、呼吸を使えない隊士なぞ直ぐに死ぬのは目に見えている。それを分かっているからこそ悲鳴嶼も余りいい気にはなっていなかったらしいが玄弥はたった一人の兄の為に鬼殺隊に入ると聞かなかったそうだ。
『お前は戦う事を選ぶのか?』
玄『はい』
『呼吸も使えないのにか?』
玄『それでも俺は入りたいんです』
『死に損になるかもしれないぞ?我々がいる世界はそう甘くは無い。何時死ぬかもわからぬ世界に入る、其の意味を理解しているか?死ぬ覚悟があるか?鬼舞辻無惨を倒す為に己が命を投げ出せるか?何れ死地に足を踏み入れる事になるぞ、一度入れば逃げられない
若しかしたら、愛する者に逢える事なく尽きる事になるかもしれない
そうなっても後悔はしないか?覚悟は出来ているか?
お前はまだ若い。これから未来を作るのはお前達だ。態々死に急ぐ事は無い』
玄『お、俺は兄ちゃんに謝りたいんです…!』
覚悟を持った目は強く折れることを知らない
『はぁ…まぁお前の人生だ。好きにしなさい
せめてもの情けだ。此方においで』
縁側に居た玄弥を中に入れ仏間がある部屋の隣の空き部屋に通す。長机が置いてあるだけの部屋は他には何も無い。玄弥を適当に座らせ私は仏間の部屋に入る
私は仏間に供えてあった銃を持ち玄弥の前に置いた
『持って行け
これは特殊な銃でな、弾頭は猩々緋砂鉄から製造している特注品だ。刀匠の里の者に作って戴いたものである程度の鬼の頚なら吹き飛ばせる。お前の力に成るだろう。銃の構え方やらは刀匠の里の人間に教えて貰いなさい。
私からは一つだけ
的から目を逸らすなよ』
玄『え、頂けません!』
『いい。それを使う人間はもう居ない』
玄『それなら尚更…!』
『いいんだ。その方が持ち主も喜ぶ』
悪鬼滅殺と刻まれた文字をなぞる
その横には小さく小さく「光」と彫られている。
光が在れば闇が在る
光が輝けば輝く程闇は深く深く影を落とす。我々はふたつでひとつ
光と闇は常に共にあり
『正しく使いなさい。お前なら出来るよ玄弥』
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卯月@スイ(プロフ) - 櫻子さん» お楽しみに頂きありがとうございます! (2020年6月3日 20時) (レス) id: ef0564ef41 (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品更新楽しみにしてました、お疲れ様でした! (2020年6月3日 15時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
卯月@スイ(プロフ) - 奈雪さん» コメントありがとうございます。こういう柱がいたらいいな、から始まった自己満足の物語にも関わらずそんな風に言っていただけて嬉しいです。読んでいただきありがとうございます! (2020年6月2日 22時) (レス) id: ef0564ef41 (このIDを非表示/違反報告)
奈雪(プロフ) - コメント失礼します。此の物語が大好きでした...!完結、おめでとうございます。読むたびに何故か泣いてしまいました。素晴らしいお話に出会わせてくださりありがとうございました(上から目線っぽくてすみません) (2020年6月2日 21時) (レス) id: 5baed18305 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:卯月@スイ | 作者ホームページ:http://weareasas
作成日時:2020年4月1日 16時