お館様、光柱の約束 ページ11
産『まだ着かないのかい?』
『あと少しあと少し』
楽しそうに笑いながら彼処に鳥がいるよ、だなんて視線でいる場所を教えてくる。退屈はしなかった。Aの話は夢の様な話ばかりで情景が良く浮かぶ
『と、着いたよ』
私を背から下ろし右手を差し出した。その手に同じく右手を差し出すと其処は野原だった。美しい花々が咲き乱れ季節を感じさせられる景色に惚けていると此処を見に来た訳じゃないと再び私の手を引いた
『下をよく見て』
下には町が広がっていた。此処から町までは距離があるようであまりはっきりとは見えず、それでも町人達が楽しそうに笑っていた。此処に居ると笑い声も聞こえそうでこちらまで楽しくなれそうだ
『見える?これが私達が護る世だよ
私達は彼等の生命と平穏を護る為にこれから闘うの』
彼女は下を見ながらそう云った
『ここからなら良く見えるでしょう?私達が護らなければならないものが』
産『そうだね』
この国を護る為に私達は闘う
人々の平穏と安らぎを齎す為に刀を取る
其の言葉の意味が漸く頭に入って気がした。
『耀哉くん、必ず私達の代で鬼狩りを終わらせよう。これ以上、哀しみと憎しみを持つ人が増えぬ様に。
私達が終わらせるんだ。それが出来るのは私達だけだよ。
私は耀哉くんの指示に従います。
貴方を“お館様”と呼び慕いましょう。何時か鬼が消えるその日まで私は戦い続けましょう。
この美しい景色を護る為に何時かくる安寧の世の為に
約束だよ、耀哉くん
過去の遺恨を凡て精算する
私達が必ず鬼舞辻無惨を討つんだ』
膝を着き私を見上げ決意を灯した瞳で彼女は私に誓った。
『私達の代で鬼狩りを終わらせる』
その約束は今も生きている
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卯月@スイ(プロフ) - 櫻子さん» お楽しみに頂きありがとうございます! (2020年6月3日 20時) (レス) id: ef0564ef41 (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品更新楽しみにしてました、お疲れ様でした! (2020年6月3日 15時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
卯月@スイ(プロフ) - 奈雪さん» コメントありがとうございます。こういう柱がいたらいいな、から始まった自己満足の物語にも関わらずそんな風に言っていただけて嬉しいです。読んでいただきありがとうございます! (2020年6月2日 22時) (レス) id: ef0564ef41 (このIDを非表示/違反報告)
奈雪(プロフ) - コメント失礼します。此の物語が大好きでした...!完結、おめでとうございます。読むたびに何故か泣いてしまいました。素晴らしいお話に出会わせてくださりありがとうございました(上から目線っぽくてすみません) (2020年6月2日 21時) (レス) id: 5baed18305 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:卯月@スイ | 作者ホームページ:http://weareasas
作成日時:2020年4月1日 16時