姉の羽織 ページ27
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炭「あれは…?」
千「姉の物です。
あの日、どうしても不安がっていた私に預けると」
千『あ、姉上!兄上!』
『どうした?千寿郎』
後ろから追い掛けてAの背中に抱き着く千寿郎の頭を何とか撫でてやると千寿郎は離れ下を向いた
それでも羽織の裾を掴んで離さなかった
千『…』
『少し待ってなさい』
Aは中に戻ると自身が着ている炎があしらわれた羽織では無く橙色の羽織を着て何時も着ている羽織を千寿郎の肩に掛けた
『千寿郎、これで不安は無くなったか?』
千『は、はいっ!…で、ですがこれは……』
煉『問題無いだろう?姉上!
これを羽織れる機会はもう二度とないかもしれんぞ千寿郎!正直羨ましい!』
『いいんだよ、千寿郎
預かっていなさい
私が帰ってきたらそれを私の肩に羽織らせておくれ』
そう言ってAは千寿郎を抱き締めた
『それでは行ってくる』
千「結局…姉の肩に羽織を羽織らせる事はありませんでした…」
グスグスと涙を流し悲しそうに微笑んだ
千「何故だかあの日、姉上は分かっていた気がするんです。己が死ぬ事を。
だから祖父から着ている炎柱の羽織を兄に残すために家に置いていった気が……きっと気の所為ですけどね」
炭「…」
彼等はまた少し話した後炭治郎に姉の鍔を託し炭治郎は家を出た
千寿郎が愼寿郎にAの遺言を伝えにいくと
愼「どうでもいい出て行け!」
千「で、でも姉上の」
愼「くだらん!どうせ俺への恨みごとだろう!わかりきってる!
さっさと出て行け」
千「父上はもういい歳なんだから酒の飲みすぎには注意して、身体を大切にして長生きして欲しい。今まで本当にありがとうございましたと」
娘からの遺言を聞いて眉が下がる愼寿郎
千寿郎の気配が無くなると脳裏にはAが笑い任務に向かう姿が思い浮かんだ
『父上!行って参ります!』
飲もうとした酒樽を思いっきり床に叩き付け
愼「……A!!」
愼寿郎は明け方まで泣き続けた
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なちゅ - かっこいい…このお話すきです! (2023年3月8日 22時) (レス) @page43 id: c3ead30411 (このIDを非表示/違反報告)
卯月@スイ(プロフ) - 抹茶タピオカ2号さん» ありがとうございます! (2020年4月12日 17時) (レス) id: ef0564ef41 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 煉獄さんの嫁になりたいさん» 私も嫁になりたい(*´・ω・) (2020年4月12日 11時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月12日 11時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
卯月@スイ(プロフ) - ゆくさん» ありがとうございます!そうですよね!結構少なくて私も驚きました (2020年1月22日 7時) (レス) id: ef0564ef41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:卯月@スイ | 作者ホームページ:http://weareasas
作成日時:2019年11月14日 23時