世界で一番、愛おしい10年後の弟へ送る手紙 (ページ22)

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おページ22

「…あと少しなのかな」

私は15歳、勝己は5歳
あの時の未来は私が15歳なのは確定だ

あと少しであの未来が始まる

「手紙を書こう」

もしもの為に

私は死ぬつもりは無い

勝己が家族が悲しむ事を知っているからだ

それでも念の為だ

未来は誰にも分からない

変わってしまった未来まで私は視れない

「…死にたくない」

書きながら涙が零れていく

大人になった勝己が私と同い年になった勝己が視えた

少し老けた父さんと母さんが視える

泣いている未来が視える

それを手にした未来が視えた

話している未来が視える
泣いている未来が視える

ああ、泣かないで

お願い、泣かないで

私は涙を拭うことが出来ない

私の大切な弟

どうか、泣かないで

笑って

幸せになって

私は死ぬのが怖いんじゃない
勝己が泣くのが怖いの、私の事を引き摺って前を向いていけないのが怖いの、私が足枷になって、足を引っ張るのが怖いの、勝己の将来を邪魔したくない

勝己には幸せになって欲しい

誰よりも幸せになって欲しい

手紙を書き終え、私の日記に挟んだ

「大丈夫、そんな事にはならないよ」