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極悪非道な人※ネームレス ページ5
今思えば私の両親は偏見の強い人たちだった。
「大学に行くのよ。高卒で働くなんて有り得ないわ。」
「お前は女の子だからな。いい男の人を見つけろよ。」
同じような事を私に吹き込んで私が頷くのを見ては満足したように笑っていた。
極悪非道な事をする人達よりこの人たちの方が悪人だと思いながらも反論はしなかった。
安定した仕事で、いい男の人を見つけて、嫁入りして、家事をして、子供を産んで…そうやって私は親の思いどおりに動くんだ。
そう思っていたのに。
大きな地震が人々を襲い、私は1人になった。2人が言った夫婦が当たり前に持ち合わせている一戸建ては一瞬にして見る影もなく潰れた。
家に居た2人と違って学校にいた私は無傷だった。避難所生活が落ち着いて荷物を取りに家に行った。通行止めの道を通って崩れた家を見た時、時、僕はこう言った。
「なんて今日はいい日だろうか!」
極悪非道の人間は僕だったんだろうか。
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作者名:MI | 作成日時:2023年12月8日 22時