【wrwrd!】空から幸せの種が降ってきて。Ⅱ[軍.魔法パロ] (ページ2)

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48話ページ2

zm｢なっ、なんやそいつら！ムカつくなぁぁ！！何処のどいつやねん！｣

過去にあったこと、今見たことをゾムに全部話した。だから助けられる可能性にかけて強くなりたいのだ、とも。どうしても諦めたくないから。

話を聞き終わると大きな声で怒りはじめた。それは激情や同情、憤りなんかじゃなくて、励ましているように聞こえる。それを出さないようにするのも、彼なりの優しさなのかもしれない。

zm｢うーん、そうやなぁ、強くなりたい…やろ？でも、Aはナイフとか使って戦うわけじゃないやろうし…。｣

唸りながらあーでもないこーでもない、と悩む姿を見て、なんとなく…今なら聞いて貰えるかもしれないと思った。

『ねぇ、ゾム。前にも一度言ったんだけどね。…誰かに正体を明かしたいの。１人でもいい、色んな意見を聞きたくて。ダメ？やだ？どうしてもいやなら…諦めるよ。』

情けなく沈む自分の声に、自然と目線が下がる。でも、ゾムのことは傷付けたくないんだ、大切だから。

ふと、頭に手が乗せられた。手の主を見ると、悲しそうな、嬉しそうな顔をしていた。なんで、そんな顔してるんだろう。

zm｢すまん、ありがとぉな、俺のために気を使わせてるんやろ。もう、大丈夫やから。｣

そういってぐりぐりと不器用に撫で付けてくる。ちょ、ちょっと痛いんだけど……。まぁ、いっか。

でもそうやなぁ、うーん、なんて言って真剣に悩みはじめる。まぁ、補助を求めるなら結果として全員にバレるとは思うけど、今は、まだ。

立ち上がって体についた土をぱっぱ、と払う。城に帰った時に怪しまれないように、言い訳を残しておくように、綺麗にはしないでおこう。

手を差し出すと、驚いたような顔をしてから、ん！！と手を繋いで快活に笑う。

『別に今、早急に出してほしいわけじゃないから、あんまり難しく考えないでね。』

ちら、と彼に目配せをすると、Aのことだから大事に考えたいだけやで、なんて言われてしまった。

……恥ずかしいひと。別に嫌な気はしない私も大概恥ずかしいのかもしれないけど。

森も出ようという所でぴた、と横の足が止まる。

zm｢A、髪とか変えんと。｣

はた、と自分の銀髪を見て確かに、と思った。そこには気付いたのに、二人して監視カメラの範囲内ってことには気付かなかった。