死にたがりの旅人 (ページ2)

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一話ページ2

青い海が永遠に続いている。青い空が永遠に続いている。
今日で何回目だろうか…。10回目？20回目？もはや数え切れないほど

　 "私は身を投げてきた"

これしかないのだ、悪魔の実を食べた人間がいとも簡単に死ねるのは。でも、…わたしの場合食べた実が最恐だった。

　ミズミズの実

世界政府までもが探し求める悪魔の実。私にはわからない。この実がどれほどの価値があるのか私にはわからない。あの日、お母さんに食わされなかったら今頃死んでいたかもしれないのに……

『今日も失敗か………今回は何処の島に辿り着いたかな…』

　(毎回毎回海に身を投げると色んな島に流れつくんだよね……前回はシャボン玉飛んでる島に流れついたし…)

『包帯も変えなきゃ……宿も探さなきゃ……うわっ！！……いっったぁ〜』

　目の前に立ちすくむ大きな人影。ゆっくりと顔をあげると…

「あらら、大丈夫かい？…………お嬢ちゃん今夜暇？」

　人間……いいや、巨人？？2メートルくらいある身長にアイマスクを付けた男が立っていた

『でっ……か…………あ、大丈夫です。今夜ですか？』

「そうそう、今夜って言いたいところだけど…その身体中の包帯はどうしたの？」

　『？！……なんでもありません。ぶつかってすみませんでした。』

なんで…なんで…バレた？！……バレないように長袖のワンピースにしたのに……なんで……

そういえば……あの服装………何処かで見たような…

あ、……あの日だ。平和だった村に悲劇が訪れたあの日。白と青い服。背中に大きく書かれた"正義"の文字。海軍だ。

あいつらが居なかったら……

『死ぬ前にやることが出来ちゃったなぁ…』

Aは知らない。この先、海軍にも良い人がいることを……。
Aは知らない。この島で価値観が変わることを。
　