優等生と悪友は幼馴染 #6 ページ7
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就寝前に少しだけ勉強をしていると、また外から声がする。
時刻は夜十時の事
渡辺「A〜」
『………』
渡辺「おいガリ勉！」
私は椅子から立ち上がって、部屋の窓を開けた。
『近所迷惑』
渡辺「Aがすぐ開けねぇからじゃん」
『…………』
私は窓を閉めようとする。
渡辺「ちょ、なんで！無理！
ごめんって、」
『…………』
渡辺「…でさ、今日の要件はこれなんだけど」
そう言って見せられたのは、一枚の手紙
渡辺「俺の机ん中に入っててさ
見たら、名無しのラブレターだったって訳」
『うん』
渡辺「それで、A宛だった」
『どういうこと』
渡辺「いや知らねぇよ
でもまぁ、机間違えたんじゃね？
俺ら前後だし」
納得の意味を込めて頷く
渡辺「で、どうすんの」
『"どうすんの"とは』
渡辺「いや返事！
付き合うか付き合わないか」
『付き合わないよ』
渡辺「なんで」
『……………』
渡辺「お前、まだ照の事引きずってんの？」
この言葉に私は、何も言い返せなくなった。
四年前、私にとって初めての彼氏が出来た。
それは当時同じクラスだった岩本照
岩本「A、一緒に帰ろう？」
『うん』
渡辺「うわ、リア充だる」
毎日のように一緒に帰っていたし、よく遊んだりだってしていた。
でも私は、初めから彼の気持ちに気づけていなかった。
岩本「Aが俺を好きなのか分からない」
深澤「………どうしたんだよ、急に。わら」
岩本「急じゃない、ここ最近ずっと考えてる
………俺だけがAを好きなのかなって」
深澤「………照」
渡辺「で、別れんの？」
深澤「翔太！」
渡辺「なに、そういう事じゃねぇの」
重苦しい空気で溢れる教室、私はそんな中に飛び込んで、
『照』
岩本「っ、A」
『好きだよ』
岩本「…………」
『これでも、伝わらないね』
岩本「…………遅いよ、
俺だって、好き"だった"」
思い出してしまったら、頬に何かが伝った。
渡辺「………A、なんで泣いてんの」
『なんでもない
私、寝る』
渡辺「っおい、」
翔太の言葉を最後に私は、窓を閉めた。
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作者名：佐藤さん | 作成日時：2023年2月20日 0時
