優等生と悪友は幼馴染 #5 ページ6
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美術室で一人、キャンパスに色を乗せていく。
『…………』
色と時間を重ねた分、頭の中で想像している物がキャンパスへと映し出されていく。
私はその感覚が好きだった。
時計の針が間もなく六時半を指す。
深澤「A」
『！』
突然名前を呼ばれて、持っていた筆を床に落とす。
深澤「あ、ごめん驚かせた
………服、汚れてない？」
私は自分の制服に目をやって、"大丈夫"の意味を含めて頷いた。
『筆、ありがとう』
深澤「ううん、ほんとごめんね
びっくりさせて」
『びっくりしてない』
深澤「………え？わら」
『急いで片付ける』
私は筆とバケツ、パレットを持って流し台に向かった。
深澤「A」
『何』
深澤「
『裏だけど、手汚れるよ
後で私がやるから』
深澤「俺がいま手空いてんだし、いいよ」
そう言って裏にキャンパスを運んでくれた辰哉
私も一通り洗い終えて、自分の鞄と辰哉の鞄を持つ。
『ありがとう
はい、鞄』
深澤「ん、いいえ〜！
ありがとぉ」
電気を消して、扉を閉めて、
二人で美術室を出た
そのとき
「おい、下校時間過ぎてるぞ
今まで何やってた」
声がした方に目をやれば、そこには生徒指導の先生が立っていた。
深澤「部活ですよ、ねぇ？」
『はい』
以下にも信じているような感じは無く、一向にこの場から逃げられそうにない。
「俺には今まで部活をやってたようには見えないな
早坂に何かしただろ、
深澤「…………はぁ？意味わかんねぇんだけど、」
「あのな、お前みたいな問題児と相手してる暇無いんだよ
早坂は」
深澤「………なんでアンタにコイツの事で色々言われなきゃなんねぇの」
『辰哉』
私は今にも手を出しそうな辰哉を止める。
『先生』
「………なんだ」
『これを見てもまだ、部活をしてなかったと言えますか』
私は辰哉の腕を掴んで、汚れた制服の袖を見せつけた。
これはさっき、辰哉にキャンパスを運んでもらった時に付いてしまった、絵の具の跡
「………疑って悪かった、」
『いえ。
ただ、私からひとつだけいいですか』
「あぁ」
私の握り拳に力が入る。
『深澤辰哉を問題児って呼んだ事、彼に謝って下さい』
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作者名：佐藤さん | 作成日時：2023年2月20日 0時
