優等生と悪友は幼馴染 #2 ページ3
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新学期が始まって約一ヶ月ちょっと、教室内にはまだ緊張の糸が張り詰めていた。
そんな中、私に向かって手を振る人がひとり。
『おはよう、ラウ』
ラウ「おはよっ！」
挨拶をしてから自分の席に着けば、私の元に近づく人影。
ラウ「Aちゃん、聞いてよ〜！」
『どうしたの？』
隣の空いてる席に腰掛けて机に項垂れるラウ。
ラウ「………"また"話せなかった、
めめ、女の子に囲まれてた」
『そっか』
ラウ「僕、女の子になりたかった」
『うん』
ラウ「……でもやっぱり、今の僕を見て欲しい」
私はそんなラウの頭を撫でる。
ラウ「……Aちゃん？」
『また作戦、練り直そっか』
ラウ「〜っ！うんっ！！！」
話し合う中で、ベタな物から少し挑戦心を必要とする物まで、色々出てきては出来る出来ないを判別していく。
『………これは、出来る？』
ラウ「僕、できるかな」
『出来るかは、やってみなきゃ分からないよ』
ラウ「……うん、そうだよね」
何本も横線が引かれた中、最後に残ったもの
"おはようって挨拶する"
ラウ「僕、明日こそはめめに声掛けてみせるっ」
『うん、きっと出来るよ
ラウなら』
ラウ「えへへ、そうと決まったらこうしちゃいられない！」
ラウは突然立ち上がって自分の席に戻り、鞄から携帯を取ってまた、私の元へ帰ってきた。
『ラウ？』
ラウ「明日に備えて万全な状態にしておかないと！！」
そう言って携帯の画面にはパックやらスキンケア用品の詳細、きっと学校の帰りにでも買うのかな。
『応援してるね』
私の声は続々とやって来たクラスメイトによって、掻き消される。
ラウ「……ん、Aちゃん何か言った？」
私は首を横に振った。
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作者名：佐藤さん | 作成日時：2023年2月20日 0時
