優等生と悪友は幼馴染 #10 ページ11
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深澤「Aの作る卵焼きが一番好き」
『…………』
深澤「甘すぎないんだよねえ、めっちゃうまいの」
『ありがとう』
深澤「いやちがくて、そうじゃなくて」
『あのね。遠回しに言わないで、
食べたいなら食べたいって言って』
深澤「食べたいです」
私はもう既に掴んでいた卵焼きを、辰哉の口に入れた
深澤「うまあ」
目を閉じて大袈裟に感動している辰哉
私はそんな辰哉に見向きもせず、また箸を進めていく。
深澤「…………」
『何』
ジッと見られている事に何処か、居心地の悪さを感じた
深澤「いや、
いつも思うけど、Aって気にしないよね」
『うん』
深澤「それはもしかして、慣れ？わら」
『別に、誰が相手でも気にしない』
深澤「………ふーん。
でもさぁ、Aが気にしてなくても相手が気にしてたら？」
そう言う辰哉に目を移す私
『辰哉、気にしてるの？』
深澤「さぁ、どうだろうねえ」
『…………なにそれ』
深澤「まぁ、Aとは死ぬほど間接キスしちゃってるからねぇ」
『なんかそれやめて』
辰哉の扱いには本当に困る
単純な翔太とは違って何処か変に頭が切れるから、面倒だ
深澤「A」
『今度は何』
突然、辰哉の細い指が私の口元に触れる
深澤「ケチャップついてた」
不健康かを疑う程の白い指に、赤茶色のケチャップソースが付いていて、それは後に辰哉の舌へと渡った。
『………ティッシュ、あったのに』
深澤「いいよ、別に」
『私が、よくない』
箸を離して、手は膝の上に置いて、
『私は辰哉のこと、よく知ってる』
深澤「うん」
『辰哉は慣れてるから、誰にでもこういう事するから
だから私、されてもなんとも思わない』
深澤「A、分かってないよ」
『分かってる』
深澤「俺、誰にでもしねぇよ
Aだからするの。Aに見て欲しくてすんの。」
膝に置いてあった手は、いつの間にかお弁当の蓋を閉じてランチバッグに手をかけていた。
でも、簡単にその手は止められる。
深澤「もしかして、ドキドキした？」
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続く (更新停止中)
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作者名：佐藤さん | 作成日時：2023年2月20日 0時
