君は、泣き虫 (ページ7)

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07：君の涙を拭ったページ7

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終礼も終わって、各々が帰り始める
私も帰る準備を終えて鞄を肩に掛けた、その時

ジェ「慎太郎、この後カラオケ行……っ？」

『ぁわ、！』

誰かとぶつかって転けそうになった私は、咄嗟に目を瞑ったけど、いつまで経っても身体に痛みは生じない

不思議に思って目を開くと、お腹に回る腕が目に留まる

ジェ「……セーフ？」

『セ、セーフ、です……』

ジェ「…………」

"大丈夫です"の意味を込めてセーフと言ったつもりだったのに、中々手を離してくれなくて困る

『あ、あの…』

ジェ「ちょー、いい匂い！！！！！！」

『へっ、！！？』

ジェ「ね～～！慎太郎！！この子もカラオケ連れてっていい～～～～？」

『えっ、ちょっ、ま…っ！？』

抜けたくても抜け出せない状況、不意に"誰か助けてください"なんて思った瞬間

渡辺「ジェシー」

ジェ「しょっぴー！ふっか！！」

『…っ、ふたり、ともっ…』

ジェ「二人もカラオケ来る！？」

渡辺「悪ぃ、今日はパス
んで、コイツは俺らと帰るから返して貰うわ」

渡辺くんの腕は私の身体を包み込む

名前も知らない人の腕が離れた瞬間、無意識に渡辺くんに飛びつく自分

深澤「また今度、絶っ対埋め合わせするから！」

深澤くんが上手く話を終わらしてくれて、結果三人で教室を出る事が出来た

私はその間もずっと、渡辺くんに抱きついたまま

(Shota.W)

深澤「Aちゃ～～ん、もう大丈夫だよ？」

『………』

教室を出てすぐの曲がり角で一旦停止、Aは一言もしゃべらないで、珍しくずっと俺の腕の中にいた

深澤「ジェシー、そんな悪い奴じゃねぇんだけどなぁ、」

渡辺「でも距離感バグってるし、俺も女子だったらビビる」

深澤「…………え、待って
じゃあ、出会ってすぐに抱きしめた俺ってまさか、嫌われてる……？」

渡辺「………」

深澤「えっ、Aちゃん！俺の事嫌い！？？」

俺の腕の中でモゾモゾ動き出したAは、ゆっくり顔を上げた

その顔は涙でぐちゃぐちゃ、俺は袖でその顔を拭いてやる

『………んぅ、っきらい、じゃない…』

渡辺「だってさ」

深澤「…………めちゃくちゃ安心した、良かった…はぁ、」

ふっかはほっといて、俺はAの涙を拭い続けた

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