君は、泣き虫 (ページ4)

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04：俺はまだ君の彼氏じゃないページ4

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―――― 教室(1年J組)

田中「めちゃくちゃロリじゃん、かあい～！」

京本「樹、怖がられてる」

『～～～っ、ふかざ…わく、んっ』

また泣いちゃう、そう思った瞬間
誰かに左腕を強く引っ張られて、すっぽり身体が収まる

渡辺「樹、近ぇよ」

田中「んえっ、しょっぴーじゃん！！！」

京本「あ、しょっぴー」

顔を見上げれば確かに、そこには渡辺くんがいる
私は渡辺くんの服を掴んで、必死に涙を堪える顔を隠した

田中「え、この子ってしょっぴーの彼女？」

まさかの質問で私は咄嗟に顔を出して首を横に振る

京本「めっちゃ必死なの笑う」

渡辺「………」

田中「てか俺、もしかして怖がらせた感じ？」

私の目元に向かって伸びて来た
細くて長い指に涙を掬われる

田中「ふはっ、なんか女子嫌いなしょっぴーがこんなんまでして守りたくなる気持ちが分かるかも」

渡辺「別に、そんなんじゃねぇわ」

"もう泣き止んだな"って確認されると、ポイッと簡単に突き放される

それに少しだけ、ほんの少しだけ寂しさを感じてしまった

田中「ま、一緒のクラスだし仲良くしてよね、Aちゃん」

京本「うん、そうだね」

あっさり席の方へと戻ってく、名前の知らない二人
"名前、聞きそびれちゃったな"なんて思ってると

渡辺「あのチャラいのが田中樹、その隣にいたのが京本大我」

『！！！』

渡辺「あとお前、学校だからって油断すんなよ」

『………どういう、こと？』

渡辺「要は、変な奴に簡単に絡まれんなよって意味」

それだけ言って、渡辺くんも席に戻ってしまった
私もその後を追って自分の席に着いた

─── 朝のHR

目黒「担任、誰だろうね」

『誰だろう、優しい人だったらいいなぁ～』

ラウ「僕も！！！」

向井「俺はやっぱりおもろい先生がええなぁ」

各々が希望の先生の特徴を上げていく中、遂に先生が教室へと入ってきた

櫻井「今日からこのクラスの担任になった、櫻井です
教科は世界史です、一年間よろしくお願いします」

二宮「副担の二宮、教科は数学
えっと、よろしく」

割と優しそうな先生で良かったと安心する私
ラウールくんも振り向いてグーサインを送ってくれた

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▽田中樹

高校1年生。チャラいしサボり魔
渡辺とは中学からの知り合い

▽京本大我

高校1年生。「女の子みたい」はタブー
松村とどこか疎遠