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(※試合シーン省きます)
試合終了のホイッスルが体育館に響き渡る。
点数的には一応僅差で、樹くんチームの勝利に終わった。
『みんな、お疲れ様』
佐久間「にゃはっ！お前ら激アツすぎっ！！」
京本「樹とかゴール決めるたんびに、Aちゃん見てた」
タオルで汗を拭う樹くんは、京本くんの言葉で何か思い出したかのように、私の元へやってきた。
田中「Aちゃん！！」
『は、はい！』
目の前には樹くんの顔があって、
田中「俺、かっこよかった？」
『………へ、』
田中「だーかーらっ！俺、かっこよかった？」
『う、うんっ！かっこよかったよ！！』
私がそう言うと突然、身体を抱きしめられた。
『へ、じゅ、樹くん、っ！？』
呼びかけても中々離してくれそうにない、一人で焦っていると、あの二人が来てくれた。
深澤「はいはい、Aちゃん困ってるから離れようねえ」
田中「うわ、やだやだやだ！！」
渡辺「A泣いてる」
その瞬間、樹くんが離れた。
田中「っ、ごめ…！」
『へ？』
田中「…………え、泣いてな、しょっぴーっ！！！！！」
渡辺「やべ」
広々とした体育館を有意義に使って走り回る樹くんと翔太くん。
隣にいる辰哉くんはそれを見て呆れた顔をしていた。
ラウ「あーあ！負けちゃった」
『ラウールくん、お疲れ様
負けちゃってもかっこよかったよ？』
ラウ「ほんとっ！？やったあ！」
目の前でぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶラウールくんを後に、後ろにいた松村くんにも声をかけた。
『松村くん』
松村「ん、？」
『すっごくかっこよかったですっ、
あんなに高く飛べちゃうんだね、びっくりしちゃった！』
松村「……うれしい、ありがとね」
─── 外
『蓮くんっ』
体育館の外に設置された冷水機に行ったと聞いて走って向かえば、本当に蓮くんがいた。
『お疲れ様』
目黒「………ん、」
背中越しから聞こえた声は弱々しかった。
私はそんな背中に近づく。
『これ、タオル』
私は持っていたタオルを突き出した。
目黒「……服で拭くからいい」
そう言って俯いたまま私の横を通り過ぎようとする蓮くん、私はその蓮くんの腕を掴んで、
『蓮くんが一番、かっこよかったよ』
『負けちゃったけど、私にとっては蓮くんが一番かっこよかったんだよ』
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作者名：佐藤さん | 作成日時：2023年1月6日 18時
