19:君にかっこいいところ、見せたくて ページ19
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─── 授業(3限目:体育)
佐久間「うっわ、バスケじゃん!!!マジ無理!」
佐久間くんの大きな声が体育館中に響き渡った。
『辰哉くん』
深澤「んー?」
『佐久間くんって、バスケ苦手なの?』
深澤「佐久間はねえ、球技全般出来ない!わら」
『ええ、そうなんだ!何でも出来ちゃいそうなのに、』
なんて深澤くんと会話してれば「Aちゃん」と誰かに呼ばれて振り返る。
その先には、バスケットボールを持つ樹くんと翔太くんの姿があった。
田中「これ、Aちゃんの!」
私は樹くんからバスケットボールを受け取る。
『あ、ありがとうっ!』
田中「ちょ、Aちゃんにありがとうって言われたんだけど!ねえっ!!」
渡辺「はいはい、良かったな」
目の前で子供みたいに大はしゃぎする樹くんが、どこか可愛くって思わず笑ってしまった。
深澤「樹、笑われてんじゃんわら」
田中「えっ、なんで?」
渡辺「子供みてぇにしゃいでんのが"可愛かった"んじゃね?」
田中「えっ、Aちゃんそうなの?」
私は控えめに頷いた。
すると、目の前の樹くんはどこか不服そうな顔をして、
田中「俺、可愛いよりかっこいいがいい」
『へ、?』
田中「俺、Aちゃんにかっこいいって言って貰えるよう、頑張るべ」
さっきまでとは打って変わって真面目な顔、それを見た辰哉くんと翔太くんの表情もどこか、違って見えた。
─── 練習中
向井「ナイッシュー!」
『えへへ、ありがとうっ』
ゴールシュートを決めると、必ずと言っていい程褒めてくれる向井くん。
向井「Aってまぁまぁ運動神経良うない?」
『そうかな?』
向井「身軽やから何でも出来そうに見えるわ!」
そう言った向井くんもボールを投げて、見事決めた。
『わー!凄いっ、』
向井「Aが見とるからレイアップ決めてきた!」
『ふふ、かっこよかった!』
向井「えっ!!!ほんまにっ!?嬉しいわー!」
その後すぐ"じゃあもう一回決めるわ"って調子よく向かったけど、見事外してた。
ラウ「ドンマイドンマイ」
目黒「すぐ調子乗るからな、康二は」
向井「〜っ、Aーー!!!」
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作者名:佐藤さん | 作成日時:2023年1月6日 18時