君は、泣き虫 (ページ17)

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17：君の彼氏になりたいページ17

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─── 部屋

『(………いきなり電話切ったりなんかして、
無愛想だったかな)』

それを考え出して、気づけば夜の11時を回っていた

そろそろ寝ないと明日に響く、そう思ってベッドに入ろうと椅子から立ち上がった時

"新着メッセージが一件あります"

私はすぐにLINEの画面を開いた

目黒くんA

目黒くんさっきはごめん

目黒くんもう、寝た?

立て続けに送られてきた3件に、すぐさま返信しようと思ったら、急にトーク画面が切り替わって

着信が掛かってきた

『(……さっき、早いって言われたから、)』

2コール目の終わりぐらいに出てみる

目黒「遅いよ」

『だ、だってさっき早いって…』

目黒「早い方が嬉しい
俺は、早く声聞きたくて仕方なかったから」

なんでこう、彼は思わせぶりな言葉ばかり掛けてくるの

目黒「まず、ごめん」

『………目黒くん、謝ることしてないよ』

目黒「した」

『………』

目黒「さっきの肌寒いってやつ、調べた」

『………ん、』

月が綺麗ですね＝貴方が好きです

今日は少し肌寒いですね＝まだ、貴方のそばに居たい

目黒「俺、Aの彼氏になりたい」

彼からの好意には薄々気づいていた、でも改めて言葉として聞くと重みは違って、中々すぐに返事が返せなかった

目黒「いきなりこんな事言われてもってなってる、な
すぐに返事しなくていい

Aだったら俺、ずっと待ってるから」

『………ありがとう、"蓮くん"』

目黒「…………え、いま、」

『れんくん、』

目黒「って呼んだ、よな……？えっ、！？」

電話越しからでも嬉しいって感情が伝わってくる

私の恥ずかしいなんかより、こんな事で喜んでくれる君に私までなんだか嬉しくなった

目黒「俺、めちゃくちゃ嬉しい
Aに名前で呼ばれるの」

『……っわ、わたしも、
蓮くんに名前呼ばれるの、嬉しい』

夜中の11時17分

瞼が少しづつ重くなって、舌も回らなくなってくる

目黒「………A？」

優しい声で私の名前を呼ぶ君、私の記憶はそこで途絶えた

(Ren.M)

携帯から微かに聞こえる規則正しい寝息
彼女が寝てしまったのだと理解するのには十分で

目黒「愛してるよ」

言っても聞こえてないのに、
言っても返事なんて返ってこないのに、

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