君は、泣き虫 (ページ15)

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15：君とシナモロールページ15

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─── ゲーム機前

深澤「Aちゃん、どれがいい？」

『……へ、』

深澤「だってさっき、ずーっとこのエリア見てたでしょ？」

なんと、深澤くんにバレていた

渡辺くんと深澤くんから少しだけ離れて店内を散策していたら、可愛いシナモンが沢山居て、思わず足を止めてずっと見ていた事を

深澤「Aちゃん、遠慮しなくていいからね
俺がAちゃんに取ってあげたいから」

渡辺「これとかいいんじゃね」

深澤「あのね、翔太にじゃないから」

『わ、わたし
………このこが、いいっ！』

そう言って私が指を指したのは、大きなシナモンのぬいぐるみが入った機械

深澤「よし、Aちゃんの為に一肌脱ぐわ」

そう言ってブレザーを脱ぎ、シャツの袖を捲る深澤くん

真剣な眼差しでアームを動かす

『………が、がんばって、
辰哉くん、！！！』

深澤「っへ、！！！！？」

いきなり名前呼びしてしまったからか、深澤くんのアームが変なとこで止まってしまった

余計な事をしてしまったかもしれない、そう思って少しだけ涙が出そうになった瞬間

渡辺「ちょ！どこで持ってんだよ！！！！やば！！」

深澤「えっ、えっ、」

アームにシナモンの腕が奇跡的に引っかかって宙に浮かび、気づけば取り出し口にシナモンが落ちていた

『～～～っ、しなもん！！！！！！！』

深澤「はい、Aちゃん」

『ぅ～～、ありがとう、深澤くんっ、！！』

大きなシナモンのぬいぐるみをめいっぱい抱きしめる
ふわふわでかわいい、本当に嬉しい

シナモンに夢中の私、その頃二人は……

深澤「……っ"かわ、」

深様は思わず本音が溢れ、口を抑えるはずが胸を抑えていた

渡辺「その緩くなった口を抑えろよ」

深澤「いや、可愛すぎて胸の方が苦しいの
別に言葉は垂れ流しでも今は大丈夫」

渡辺「…………」

深澤「てか、翔太聞いた？」

渡辺「なにを」

深澤「Aちゃんに辰哉くんって……！！！！
これからもそう呼んで貰おうかなぁ～～～～！！」

浮かれている深澤の隣で渡辺は一人

渡辺「(………俺は翔太って呼ばれた事あるし)」

なんて思ってた事も、二人がそんな会話をしていた事も
シナモンに夢中になっている桃井は全く、知りもしなかった

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