13:君に名前を呼んでもらいたくて ページ13
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─── 授業(6限目:古典)
三宅「寂しいからみんな寝ないでよ〜
って樹〜!」
田中「だって、三宅先生の声が子守唄に聞こえんだもん
不可抗力で〜す」
三宅「あ〜あ、三宅先生泣いちゃう
じゃあもう、桃ちゃんに慰めてもらおっと」
『へっ、?』
田中「だめ!!!!!!!!」
深澤「アウト!!!!!!!」
田中くんと深澤くんの声が想像以上に大きくて、ぐっすり眠っていた渡辺くんや目黒くんは飛び起きていた
三宅「だって皆寝るんだもん、先生可哀想でしょ
ね?桃ちゃん」
『へっ、た、確かに……
三宅先生が一生懸命授業して下さってるのに寝ちゃうのは…』
三宅「ほらぁ!!!」
田中「じゃあ俺、三宅先生の授業ちゃんと起きとく!」
深澤「なら俺だって!!!!」
そう言って意気込んだ二人
だけど授業再開後、わずか5分で爆睡でした
ラウ「あの二人、あれだけ大口叩いてたのに寝てる……」
向井「見てみ、三宅先生の顔
めちゃくちゃしょんぼりしとる、ちょっと可哀想やなぁ、」
康二くんの言う通り、三宅先生の顔は今にも泣きそう
目黒「桃井さん、桃井さん」
三宅先生に気を取られていると、前に座る目黒くんが私の机の面積を半分以上奪って身を乗り出してきた
『……どうしたの、?』
目黒「………」
『………え、目黒くん、?』
目黒「ねぇ」
『は、はいっ、』
目黒「蓮って呼んで」
『………………へ、』
突然の事にフリーズしてしまう自分
授業中だという事を忘れて
目黒「ほらはやく、蓮って呼んでみて?」
『っま、待って…
そんなのいきなり言われても……っ、』
目黒「じゃあ、俺から先に言うよ」
『へ、』
目黒「A」
私は咄嗟に、目黒くんの顔に教科書を押し当てた
そのせいでみんなの視線も集まる
三宅「桃ちゃんどうしたの!?顔真っ赤だよ!!?」
『………な、なんでもないです、!!!
ごめんなさい、っ、!』
目黒「………」
目黒くんの背後から見える康二くんとラウールくんの顔がニヤニヤしてたのは、本当に忘れもしない
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作者名:佐藤さん | 作成日時:2023年1月6日 18時