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12:君を泣かせていいのは俺だけ ページ12

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─── 廊下





「君って、J組の子だよね〜」


「俺さ、ずっと喋ってみたかったんだ」


「良かったら連絡先交換しない?」





飲み物を持つ手が少しだけ震える

頭には、登校初日に言われた渡辺くんの"学校だからって油断するな"って言葉がぐるぐる回っていた





「携帯、ポケットから取っちゃってもいい?」


『っや、!!!!』





そう言って伸びてくる手を私は、拒絶した





「いっ、何すんだよ!!!」





叩かれると思って反射的に目を瞑るが、いつまでたっても痛みは来ない

だから私は、ゆっくり目を開けた





渡辺「お前ら、何してんの」





そこには、先に教室に戻ったと思っていた渡辺くんがいた





「………別に、ちょっと会話してただけ」


「てか渡辺には関係ねぇじゃん」


渡辺「関係ねぇけど、こいつが泣いてたら別」


「は……?」


渡辺「………こいつ泣かせていいの、俺だけだから」





─── 空き教室





『……ぅ〜〜〜、っ、ぐず、』


渡辺「おい泣き虫、いつまで泣いてんだよ」


『〜〜っ、ぅ〜……っ』


渡辺「……どうやったら泣き止んでくれんの、」


『………ぐず、』





私は渡辺くんの首に腕を回して、顔を埋めた





渡辺「ちょ、まっ、首締ま…」


『っじ、めてないっ、!』


渡辺「……あ、ごめん」





渡辺くんの首に抱きつく私の背中に、不慣れ感満載なのが伝わってくる渡辺くんの手

どこかもどかしくて、笑えてくる





渡辺「……おい、笑ってんだろ」


『………笑ってないもん、ふふ、』


渡辺「ぜってぇ笑ってんだろ!」


『やあだ!!!』





男の子の力にはやっぱり勝てなくて、引き離されていざ渡辺くんと目が合う





『渡辺くん』


渡辺「…なに」


『助けてくれて、ありがとう』


渡辺「別に、」


『すっごく、かっこよかったよ』


渡辺「っな、…」


『あれ、渡辺くん、照れてる?』





渡辺くんは人より肌が白いから、余計に目立つ





渡辺「そろそろ教室戻るか」


『翔太』


渡辺「………今なんて、」


『ふふ、渡辺くんっ!』





林檎みたいに顔が真っ赤に染まるのが
本当よく目立つ彼は、誰がなんて言おうと渡辺くん





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13:君に名前を呼んでもらいたくて→←11:君の声が聞きたい



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作者名:佐藤さん | 作成日時:2023年1月6日 18時

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