君は、泣き虫 (ページ11)

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11：君の声が聞きたいページ11

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目黒「俺、桃井さんのとなり嬉しい
桃井さんは？俺の隣で、嬉しい？」

やけに真剣な顔で質問されて、思わず頷いてでしか返事が出来なかった

でも彼は全然諦めなくて

目黒「声が聞きたい
俺のとなり、うれしい？」

『…………ぅ、うん。うれしい、です…』

目黒「ほんと？よっしゃ、(笑)」

改めて見る目黒くんの無邪気な笑顔に、不覚にもなんだか、ドキッとしてしまった

佐久間「あ～～～～！目黒がAとイチャついてる！！」

深澤「なにぃ！！！？」

岩本「お前らうるさいって(笑)」

松村「A、次は俺とイチャイチャしようね」

『っな、しないです、！！』

髙地「北斗ふられてんの(笑)」

皆からの冷やかしを軽く受け流して、ご飯を口にめいっぱい頬張ると、思った以上に頬張ったせいかリスみたいに頬が脹れる

ラウ「Aちゃん、リスみたい！可愛い～っ！！」

『っ！！！』

向井「顔赤なってってるやん！可愛いなぁ～～(笑)」

阿部「こら二人とも、人に見られながらなんて食べにくいでしょ」

阿部くんに叱られた二人は少ししょんぼりしていて、罪悪感を多少感じてしまったが、きっと食べ終わった頃には元気になってると信じ、あえて何も言わなかった

─── 昼休み

渡辺「金出さねぇから」

『お金出してもらいたくて渡辺くん呼んだんじゃないもん』

渡辺「じゃあ、なに」

自販機のボタンが私の身長だと押せなくて(現在148cm)、たまたま近くを通りかかった渡辺くんを呼んだという状況

渡辺「え、これ？」

『うん』

渡辺「押せばいい？」

『押してください』

自販機と渡辺くんに前後で挟まれる
なんだかドキドキして仕方ないけど、私はゆっくり顔を上げてみた

渡辺「………」

『………、渡辺くん』

名前を呼んだ瞬間
頭上には、綺麗な顔がめいっぱい私の目に映る

この先なんて無いのに、なんだか目が逸らせない

渡辺「…あんま、見んな」

『っ、……ごめん、なさい』

咄嗟に渡辺くんから離れる私
渡辺くんは、出てきた飲み物を取って私に突き出す

渡辺「………、ん」

『……あ、りがとう、』

渡辺くんの手から飲み物を受け取ると、翔太くんは何も言わずに校舎の中へと戻っていった

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