君は、泣き虫 (ページ2)

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02：緊張している君に声を掛けたページ2

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学校の門をくぐってすぐの場所
体育館までの案内図がホワイトボードに貼り出されていた

勿論、方向音痴な私には解読不可

渡辺「向こうだって」

『……渡辺くん、分かるの？』

渡辺「お前と一緒にすんじゃねぇよ」

『………っ…ぅ～、ふかざわくん、』

渡辺くんからは逃げるように、深澤くんを挟んで反対側に回る

深澤「も～、翔太
Aちゃん可愛いからって意地悪しないの～」

渡辺「っな、そんなんじゃねぇし！」

怒りながら、私と深澤くんの先を行く渡辺くん
隣の深澤くんはそんな渡辺くんを見て、笑っていた

─── 体育館

深澤「あれ、並ぶ順番もう決められてる」

渡辺「俺なんか安定に最後だし」

『私は……』

深澤「てか、Aちゃんの苗字って珍しいよね～わら」

渡辺「桃井………桃…あ、あった」

渡辺くんの指指す先には、私の名前

『……ふたりと遠い』

深澤「えっ、あれ、もしかして寂しい？わら」

『うん』

私が頷いてからの反応は誰一人として無くて、人も溜まってきたからと自然に二人と別れてしまった

私は自分の座る椅子を探す

『………(あ、ここかな…)』

前も後ろももう座っていて、むしろ私の席だけが目に付く
気配を消して、私も席に着いた

向井「おっ、やっと来たやん！」

『……』

向井「あれ、聞こえてへん？」

『……』

ラウ「僕、初対面の女の子にいきなり声掛けるのはどうかと思う」

やけに私の前から声が聞こえる

なんだろうなんて興味を少し抱いた私は、ゆっくり顔を上げてみると、私から三つ先に座る男の子が手を振っていた

向井「あっ！やっと気づいた！！！」

『………わ、私？』

そう尋ねてみれば、嬉しそうに何回も頷いていた

向井「ラウ！めめ！気づいて貰えた！」

ラウ「ちょっ、康二くんうるさい！」

目黒「……二人とも、桃井さん困ってる」

『っあ、いや、凄く仲良いなって思って……』

すると、さっき手を振ってくれた人がまた笑顔でこう言った

向井「今日が初めましてやけどな！」

『………えっ』

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▽向井康二

高校1年生。コミュ力は人一倍で愛されキャラ
目黒とラウールが連れ

▽村上真都ラウール

高校1年生。モデル体型で誰もが認める美形
超が付く程のシャイボーイ、目黒大好き

▽目黒蓮

高校1年生。Theイケメン
大人しく見えて本当はうるさいバカ