第三十話 ページ35
壁や襖が大きな音を立てて倒れ、引き裂かれる。
鬼「逃げてばっかだと死んじゃうぞォォ!!?」
鬼は愉快そうに腕を打ち下ろしてくる。
捌き切れない攻撃は何とかいなしてやり過ごすのだが…
「(クッソ…!巨体の割に何でこんなにすばしこいんだ…!しかも…一撃一撃が重い!重過ぎる!!)」
気を抜いて受け止めたら刀は愚か、腕や手の骨や肉まで粉々にされてしまう…!
また一撃。
「(しまった、刀がズレて…!)」
受け止めた瞬間、
メ"ギッ
「いッ…!」
走った痛みに慌てて後方に下がる。左手の親指から中指までが変な方向に曲がっていた。爪はどうやら、下がってきた刀の峰が勢いよく当たったせいかひび割れ、抉られ、血塗れになっていた。
これじゃあ、刀を握ってもちゃんと握れない。頸を斬るなんて到底無理な話だ。
鬼「ふふふフフふ!握れないねぇ!痛いねぇ!俺を殺すなんて無理だねぇ!」
目の前の鬼は手に付いた拙の血を舐めとると、楽しげに嗤った。
指に力を入れ、握ろうとするが、入るのは力では無く、叫びだしたくなるほどの激痛だった。
ボタボタと血が流れて止まらない。柄は血で濡れてぬめぬめしている。
鬼「今まで食べた奴とは違って生きが良いなぁ!最初食べたのは女の子とその母親だ。最後まで泣き叫んでてなぁ〜、あの顔忘れらんねぇよ!」
「(コイツ……)」
鬼「次食ったのは一家全員だ。赤ん坊と子供は舌触りが良かったなぁ〜!次は親子、そのまた次は恋人同士、赤ん坊、鬼殺隊…」
嬉しそうに話す鬼。
突如口が裂け、血が噴き出した。
鬼「あ……?」
だん、と力強く着地し、刀を構える。
拙は一瞬にして鬼の口を切り裂いたのだ。
「どうした鬼。止まっていては化け物の名が泣こう。其方がいかないのであれば、拙が行くが」
冷たく言い放つ。
驚き、見開かれた鬼の眼に映る拙の目は全く嗤っていなかった。
許せない。
突如として変わった拙の空気にガタガタと震える鬼。
刀を水平に構える。平突きの構えだ。
「リィィィィィィィィィィ…」
独特な呼吸音。
最近見出したことがある。
霊の呼吸の型の本質。
雷の呼吸が超高速の居合なら、霊の呼吸は超高速の突き技だと。
子を喰いまくっていた鬼との対戦から編み出した技。
腰を低くする。
鬼「(何だコイツ…空気が変わった…!)」
「冥土の土産に持って行け
霊の呼吸、参ノ型・大通連!!!」
鬼の額、鳩尾から血が噴き出した。
そして、頸が弾け飛んだ。
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文学少女(プロフ) - ありがとうございます!まだまだ至らない所があるかと思いますが、これからも宜しく御願いします! (2019年6月9日 21時) (レス) id: 2d20336b29 (このIDを非表示/違反報告)
鮭本 - コメント失礼します。とても読みやすくて面白いです!無理しない程度に更新頑張ってください!応援してます!! (2019年6月9日 20時) (レス) id: 17f131f64f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文学少女 | 作成日時:2019年6月4日 18時