第十九話 ページ23
あれから十五日後。
炭「あっ、鱗滝さん、沙夜！あの人かな？」
炭治郎が戸口で叫ぶ。薬草を潰す手を止め、下駄に足を引っ掛けて炭治郎の下から覗くように顔を出す。
其処には、無数の風鈴がついた笠を被り、風呂敷(長いから刀だろうか)を背負った男性が立っていた。顔は火男の面をつけている。
炭「ふ、風鈴」
「綺麗だね、一つ貰えないかな？」
炭「駄目だろう」
「だよね、いや、鱗滝さんの家殺風景だからさ…」
会話をしていると、男性が口を開いた。
鋼「俺は鋼鐵塚という者だ。竈門炭治郎の刀を打ち、矢車沙夜の刀を持ってきた者だ」
炭「竈門炭治郎は俺です、中へどうぞ」
炭治郎が勧めるが、鋼鐵塚さんはその場に座り込み、刀を出し始めてしまった。
鋼「これが"日輪刀"だ」←
炭「あの…どうぞ中へ」←
鋼「俺が打った刀だ」←
炭「お茶を入れますよ」←
「(炭治郎気づけ！其奴はとんでもなく面倒くさい奴だぞ！！)」←
鋼鐵塚さんは聞く耳を持たずに刀の説明を始めてしまう。
鋼「日輪刀の原料である砂鉄と鉱石は太陽に一番近い山でとれる。"猩々緋砂鉄"、"猩々緋鉱石"、陽の光を吸収する鉄だ」
炭「風呂敷が汚れると思うんですよ」←
「(拙はもう無理…)」←
鋼「陽光山は一年中陽が射している山だ。曇らないし雨も降らない」
鱗「(相変わらず人の話を聞かん男だな…)」
呆れる鱗滝さんの近くに座る。禰豆ちゃんは布団を被ったまま拙の手を握る。
刀鍛冶ってこんな変人なの…？←
☆ ☆ ☆
なんとか説得した(というか流されるまま流されて)炭治郎が鋼鐵塚さんを連れて中に入った。二人は知り合いらしい。
鋼鐵塚さんは炭治郎が火仕事をする家系の子ということから、刀が赤くなるかもと興味津々だ。
鋼「さぁさぁ、刀を抜いてみなぁ」
炭治郎が鯉口を切って刀を出す。
鋼「日輪刀は別名、"色変わりの刀"と言ってなぁ
持ち主によって色が変わるのさぁ」
その途端、炭治郎の刀が黒く染まった。
……赤じゃないぞ。
鋼「黒っ」←
鱗「黒いな……」
「鴉みたい」
炭「えっ、黒いとなんかよくないんですか、不吉ですか！？」
鱗「いや、そういうわけではないが…あまり見ないな、漆黒は」
それを見ていた鋼鐵塚さんは炭治郎に掴みかかった。彼は鮮やかな赤い刀身が見られると思っていたらしい。ちなみに三十九歳らしい。
…大人気ない。
ん、ちょっと待て。
おずおずと手を挙げ、問う。
「すみません、鋼鐵塚さん。あのう、拙の刀は…？」←
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文学少女(プロフ) - ありがとうございます！まだまだ至らない所があるかと思いますが、これからも宜しく御願いします！ (2019年6月9日 21時) (
レス) id: 2d20336b29 (このIDを非表示/違反報告)
鮭本 - コメント失礼します。とても読みやすくて面白いです！無理しない程度に更新頑張ってください！応援してます！！ (2019年6月9日 20時) (レス) id: 17f131f64f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文学少女 | 作成日時：2019年6月4日 18時
