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第十五話 ページ18

額から血が流れる。

「(コレは結構…ザックリやったな…)」

手についたぬらりとした血を睨みつけた。
少年が拙の手を引いて距離を取る。遠くの岩陰に隠れると声を潜めて泣き出した。

善「だ、大丈夫!?ち、血が…!」

少年が拙の額に袖を優しく当てがった。

「ちょ、君の着物が汚れるよ!?」

善「良いんだ!俺なんかを庇って出来たんだから……ごめん、本当にごめんな!」

彼は泣きながら血を止めようとしてくれている。


嗚呼、この子、優しいんだなぁ

色が、暖かい金木犀の色だ。


「ねぇ、名前なんて言うの?聞いてなかったから」

善「俺?俺は我妻善逸。君は?」

「拙は矢車沙夜。善逸、君は何の呼吸が出来る?」

善「俺は…雷の呼吸。でも、壱ノ型しか使えないんだ。使えなくて御免!俺弱いからさぁ!」

「や、使えるだけで十分だよ!…ね、善逸、倒そうあの鬼」

善「えぇええッ!?無理無理無理!!俺分かるんだ、アイツはもう沢山人を食ってる音がする!」

善逸は顔を真っ青にして小声で叫んだ。

「大丈夫、雷の呼吸の壱ノ型って、確か居合でしょ?拙は育手の人から教えてもらった。…拙が、君が確実に頸を落とせる機会を作るから」

その瞬間、



バコン



「げっ…!?」

善「ヒィィ!岩が斬れたァ!!?」

その瞬間、善逸が倒れた。


「ちょ、ちょっとぉぉ!?何気絶して…うわぁっ!?」

飛んでくる髪の毛の束。其れを躱し、斬り裂く。

「血鬼術…!」

だがー…


「ぐぁっ…!」

髪が首に巻き付き、地面に叩きつけられる。

「あ"……ッ!?」

口から血が舞う。頭が痛い。ガンガンするしクラクラもする。しかも刀を手放してしまった。

仰向けのまま吐血する。


コレは…肋骨やったな…


鬼の顔が見える。


嗚呼、殺される。

「ゴフッ…」

血が止まらない。立って、立って戦わなきゃ、善逸も死ぬ。

機会を作るどころか、危機に晒してしまっている。

「御免、御免なさい善逸…拙、君を…」

涙が溢れ出てくる。





その時だった。






「え……?」


善「……」


善逸が起きた。

けど、さっきまでとは色も雰囲気も違う。

「(あれは…雷、の色?)」

シィィィィ…という呼吸音が聞こえる。


「あの構え、居合だ…」


その時、善逸に気付いた鬼が髪を伸ばす。
拙は咄嗟に刀の鞘を口で咥え、刀を抜く。コレは即席とはいえ抜刀術だ。出来るようにしておいて良かった。

刀を抜刀する時の摩擦熱を利用した技ー…


「霊の呼吸、弐ノ型、狐火!!」

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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , 我妻善逸   
作品ジャンル:アニメ
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文学少女(プロフ) - ありがとうございます!まだまだ至らない所があるかと思いますが、これからも宜しく御願いします! (2019年6月9日 21時) (レス) id: 2d20336b29 (このIDを非表示/違反報告)
鮭本 - コメント失礼します。とても読みやすくて面白いです!無理しない程度に更新頑張ってください!応援してます!! (2019年6月9日 20時) (レス) id: 17f131f64f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:文学少女 | 作成日時:2019年6月4日 18時

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