第十三話 ページ16
最終選別当日。
厄徐の面を付けて草履を履く。
着ている袴と着物は鱗滝さんがくれたものだ。大きかった着物を拙の大きさに作り直してくれた挙句、着物の袖に矢車菊の刺繍を入れ、袴は女性らしい色に染め抜いてくれた。
鱗滝さんは炭治郎と拙を順に抱き締める。拙たちは走った。
炭「鱗滝さん行ってきます!錆兎と真菰に宜しく!」
「二人に絶対帰って来るとお伝えください!」
鱗「炭治郎、沙夜、なぜお前たちが…
死んだあの子達のことを知っている…」
☆ ☆ ☆
所変わって藤襲山。
炭「凄い、藤の花が…咲く時期じゃ無いはずなのに」
「綺麗……西陣織にも勝るとも劣らない美しさ…」
二人で藤の花の中を歩く。会場には沢山の子供たちが集まっていた。
炭治郎がふらり、と見聞を広めに離れた。拙も離れて見渡す。
右頬から鼻筋までに傷跡のある、目つきの悪い少年、
蝶の髪飾りをつけた、上品で儚げな少女、
そして、この世の終わりとでも思っているかのような顔の金髪の少年←
なぜか両頬に何度も平手打ちをされたかのような傷跡があり、腫れている。
気になってその金髪少年を見ていると目があった。近づいて話しかける。
「ねぇ、君。頰は大丈夫?拙は湿布を持っているから、あげようか?」
善「ふぇっ!?あ、や、良いよ、俺なんかに!君が持っていなよ、傷が出来た時に治療出来なくなってしまうぞ!?」
「平気だ!それに、治療しなければ拙が嫌だ。ね、貼るよ」
善「あ、ありがとう…!結婚してください!」←
「結婚!?それはほいほい言っては駄目だよ、ちゃんと経験積んで、心の底から愛した人に言ってあげなきゃ」
そう言って拙は少年の両頬に湿布を貼ってやった。彼ははにかんで「ありがとう」と礼を言った。
すると、双子が現れた。どうやら説明してくれるようだ。
黒「皆さま、今宵は最終選別にお集まりくださってありがとうござます。この藤襲山には鬼殺の剣士様方が生け捕りにした鬼が閉じ込めてあり、外に出ることはできません」
白「山の麓から中腹にかけて、鬼共の嫌う藤の花が一年中狂い咲いているからでございます」
黒「しかしここから先には藤の花は咲いておりませんから鬼がおります。この中で七日間生き抜く、」
白「これが最終選別の合格条件でございます。では、行ってらっしゃいませ」
座敷わらしのような双子の説明が終わると同時に周りの人たちが真っ直ぐに走り出す。拙は炭治郎と目配せをした後、刀を握り締め、走り出した。
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文学少女(プロフ) - ありがとうございます!まだまだ至らない所があるかと思いますが、これからも宜しく御願いします! (2019年6月9日 21時) (レス) id: 2d20336b29 (このIDを非表示/違反報告)
鮭本 - コメント失礼します。とても読みやすくて面白いです!無理しない程度に更新頑張ってください!応援してます!! (2019年6月9日 20時) (レス) id: 17f131f64f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文学少女 | 作成日時:2019年6月4日 18時