八尺様 7 ページ9
どうしよう。
私は慌てて中原くんの手を引いて隣のクラスの太宰くんを呼ぶ。
『太宰くん!』
中『⁈待て、太宰を呼ぶな!』
中原くんが後ろで怒鳴る。何故私が彼と手を繋いだかというと結界を張りたかったからだ。手を繋げば私の神通力で結界を張り八尺様が中原くんからは認識出来ないからで。
太『?八坂さんどうしたの……って、うぇ 何で中也が此処に居んのさ』
中『五月蝿え 行成八坂に連れて来られたンだよ』
中原くんは太宰くんに対して中指を立てる。
太『うーん、八坂さんがこんなに慌てるのは初めてだねぇ』
太宰くんはニヤニヤしながら中原くんをスルーする。
『あの、二人とも、今日は何も無いですか?放課後…』
おずおずと聞くと太宰くんは『今日は4時間授業だから何にも無いよ』、中原くんも『俺も無ェ』と答えた。
『良かった………では、今日は私の家に来て下さい。太宰くんも。中原くんは必ず』
太『うん。分かった。織田作に事情を話してから行くね』
太宰くんはそう言って教室の中に戻って行った。
中『おい』
『はい?』
中原くんに声を掛けられる。見ると彼は真っ赤な顔をしている。
中『い、いつまで 手ェ握ってんだよ…ッ////』
『あ、そのッ、御免なさい!で、でも離したら中原くんが怖い思いをしてしまうから…』
私は慌てて答える。確かに私みたいな日陰者に手を掴まれたら不快になるのは火を見るよりも明らかだ。でも今此処で手を離せば中原くんのリスクが上がる。
中『ハァ?どういう意味だよ?』
『御免なさいぃ…でもちゃんと学校が終わったら話すから……!』
私は必死に中原くんに謝罪する。すると中原くんはギョッとしつつも承諾してくれた。
しかし流石に手を握り続けるのは両者共に大変なので結界を張る御守りである白戌の土鈴を渡した。
彼はその土鈴が気に入ったようで目に見える筆箱に嬉しそうに付けて眺めて居た。
私はホッと胸を撫で下ろした。
格好良いデザインの土鈴にして良かった………←
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大阪 - 更新ない…(泣) (2019年2月3日 14時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 更新きたー♪ (2018年7月25日 13時) (レス) id: a4c1fe7640 (このIDを非表示/違反報告)
かな - いいですね!それ! (2018年6月7日 21時) (レス) id: a4c1fe7640 (このIDを非表示/違反報告)
山吹桜 - 太宰さんでガシャドクロ、谷崎君でくねくね又はけてけてが見たいです。 (2018年6月3日 21時) (レス) id: 6d19b82d66 (このIDを非表示/違反報告)
文学少女(プロフ) - ありがとうございます!今は忙しくて更新出来ませんが落ち着いたら一気に書きます! (2018年5月18日 20時) (レス) id: 2d20336b29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文学少女 | 作成日時:2018年4月21日 16時