八尺様 4 ページ6
護摩壇がある部屋の隣の部屋で叔父さんと向き合う形で私達は作業をしていた。
『叔父さん、此処の印はどうしましょう?』
私は赤い墨を含ませた小筆を持ち乍ら紙を見せる。
叔『うん、此処は清明の五芒星を書いておきなさい』
『はい』
私達が今して居る作業は護符、お札作りである。
先程の事件。叔父さんによると矢張り怪異が原因らしい。
その名は、八尺様。
女の形をした化生で、主に男性に取り憑く。『ぽぽぽ』と変な笑い方をし、人によって見え方が異なるが女の形をして居ること、異常に背が高いこと、頭に必ず何か載せている事が共通して居る。
叔父さんの話によると今まで封印して居たらしいのだが…。
八尺様をやり過ごすにはいくつか方法がある。
一つ目は『籠城戦』。その名の通り呪い避けを施した部屋で朝まで居続ける事。
二つ目は『その地から離れる事』。八尺様はお地蔵様がいるお陰で遠くまで行く事が出来ない為。
三つ目は、私の『霊視』で破壊すること。此れは最終手段である。
ポピュラーなものは一つ目の籠城戦。其れには多くのお札が必要になる。なのでこうして作り続けているのだ。その後は塩を清める作業がある。
お札を通算150枚作り終えた時だった。ボーン、ボーンと時計が鳴った。
もう10時30分に差し掛かっていた。叔父さんは其れに気付くとお風呂に入るよう促す。
私は着替えを持ってお風呂場に行く。洗面所の鏡を見る。
眼を、開けて。
そこには青白い眼を持つ自分が写る。
まるで、この『眼』という運命からは逃れられ無いとでも言うように。
61人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
大阪 - 更新ない…(泣) (2019年2月3日 14時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 更新きたー♪ (2018年7月25日 13時) (レス) id: a4c1fe7640 (このIDを非表示/違反報告)
かな - いいですね!それ! (2018年6月7日 21時) (レス) id: a4c1fe7640 (このIDを非表示/違反報告)
山吹桜 - 太宰さんでガシャドクロ、谷崎君でくねくね又はけてけてが見たいです。 (2018年6月3日 21時) (レス) id: 6d19b82d66 (このIDを非表示/違反報告)
文学少女(プロフ) - ありがとうございます!今は忙しくて更新出来ませんが落ち着いたら一気に書きます! (2018年5月18日 20時) (レス) id: 2d20336b29 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:文学少女 | 作成日時:2018年4月21日 16時