ひとりかくれんぼ 7 ページ26
続きです。
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必ずこの手順で1〜2時間、又は2時間以内に終了させなければならない。
また、ひとりかくれんぼ に使用したぬいぐるみは、最終的に燃える方法で処理する必要があるとされている。
各種メディアによる体験談では、隠れている間に奇妙な音がする、ぬいぐるみを探しに行くと本来の場所と違う場所にいる、テレビに奇妙な画像が映る、などの心霊現象に遭遇したとする報告が寄せられている。
其処まで読んで背筋が凍った。
こんな儀式、聞いたことがない。中原くんも太宰くんも、敦くんも冷や汗を流していた。
中『……被害者達はこれをやっちまったのか?だとしたらこの事件…』
太『……あぁ、完全に"こちら側"の事件になるね』
太宰くんはパソコンをシャットダウンし、鞄にしまった。
5人の間に沈黙が流れる。
叔『……降霊術』
『え?』
叔父さんがポツリと呟く。叔父さんの目は鋭かった。
叔『これはとんだ降霊術だ。人形の憑代、水場、刃物……最悪なモノのオンパレヱドだ。絶対にしてはならない、封印指定の儀式だ』
叔父さんはそう言うと立ち上がり、羽織を着る。
『今から外出なされるのですか?』
私が話し掛けると叔父さんはきょとんとした顔をし、
叔『?藤ちゃん達も一緒に行くんだよ?』
『はっ?』
太『ゑっ』←
中『おい』←
敦『い、今からですか?一体どこに……』
敦くんが聞くと叔父さんはニコリと笑って
叔『なァに、ちょっとばかし細工をするだけさ』
と爽やかな笑顔で言い放った。
太宰くんに似ていた気がする……←
叔父さんは皆がきょとんとしているとさっさと玄関で黒い漆塗の下駄を吐き出している。
私達は慌てて玄関に行き、各自ローファーやスニーカーを履き叔父さんの後を追う。(ちなみに私は家なので鈴の付いた下駄を履いている)。
パソコンを見ていたせいかお昼を過ぎ、街が少し夕焼けに染まっていた。道をからんからんと下駄を鳴らし乍ら歩く。
『叔父さん、何処に行くんですか?』
叔『うん?藤ちゃん達の学校かなぁ、先ずは』
『学校?あと先ずはってどういう意味なんですか?』
叔『内緒だよ。着いてからのお楽しみさ』
叔父さんはそう言うとカラカラ笑う。
私は少しムスッとした。『内緒だよ』の言い方が父に似ていたからだ。
暫く歩くと私達の学校が見えてきた。夕焼けに染まりどこか幻想的に見える。
逢魔ヶ時。
門を開けて私達は一歩踏み出した。
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大阪 - 更新ない…(泣) (2019年2月3日 14時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 更新きたー♪ (2018年7月25日 13時) (レス) id: a4c1fe7640 (このIDを非表示/違反報告)
かな - いいですね!それ! (2018年6月7日 21時) (レス) id: a4c1fe7640 (このIDを非表示/違反報告)
山吹桜 - 太宰さんでガシャドクロ、谷崎君でくねくね又はけてけてが見たいです。 (2018年6月3日 21時) (レス) id: 6d19b82d66 (このIDを非表示/違反報告)
文学少女(プロフ) - ありがとうございます!今は忙しくて更新出来ませんが落ち着いたら一気に書きます! (2018年5月18日 20時) (レス) id: 2d20336b29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文学少女 | 作成日時:2018年4月21日 16時