運命視と黒傘【第五人格】 (ページ32)

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第二十八話ページ32

ゲーム後、荘園に戻った無咎。
ドアを開けると何かが勢いよく飛び出し、飛び付いてきた。
彼の首に手を回し、抱きしめるようにひっつくのは言わずもがなフォルトゥナだった。

飛び付いた勢いで彼女を片手で掴みつつ、ターンを回る無咎。

「やった！やったよウジン！ブラックジャック！最高！！」

無「耳元で叫ぶな！……まぁ、良かった」

フォルトゥナを地面に降ろすと、無咎はふっと優しく微笑んだ。

「ウジン、今笑った？」

無「笑ってない」

「嘘！笑ってた！」

無「だから笑っていない！」

彼女の頭をグリグリと押さえ付けていると、必安が近付いてきた。

謝「良かったですね、無咎」

范「…嗚呼。コイツのお陰だ」

無咎は手元の顔を顰めるフォルトゥナを見て言った。

謝「本当に、聡い子です。あ、そうだ！エマさん達がお菓子を焼いてくださったんです。無咎達も頂きますか？」

その問いにフォルトゥナと無咎は顔を見合わせ、叫んだ。

フ/無「「食べたい/食いたい！！」」

☆ ☆ ☆

食堂に着くと先に脱落していたメンバー達が先に焼き菓子などを頬張っていた。

傭「だーかーらー！お前が早くイソップにカード渡しときゃバーストしないで勝ち進められたんだよ！」

リ「貴方が初っ端でかい数引くからですよ！なんですか8って！なんなんですかバカなんですか！？」←

傭「んだと顔長！これでも食ってろ！！」←

リ「へあぁぁぁッ！？」←

パイ一切れをリッパーの口に突っ込むナワーブ、悲鳴を上げるリッパー。

踊「ごめんなさいね、上手く立ち回れなかったわ…」

美「ええんよ、次頑張れば。ほな今はお菓子食べましょか」

微笑みながらお茶を飲むマルガレータと美智子。

探「あ、このタルト美味しい。ルキノさんも食べてみなよ」

ル「ならこのシフォンケーキを上げよう。美味しそうだね」

ほのぼのと菓子の食べ比べをするノートンとルキノ。

写「頑張ったね、イソップくん」

納「なんでこんなに人がいる場所で食事を…視線が、視線が怖い…自室に帰りたい…僕と一緒に食事をしないで…(ジョゼフさんが頑張ってくれたからですよ、僕は何も…)」←

写「君、本音と建前が逆になってない？」←

ガタガタと異常に震えながら菓子を口に運ぶイソップと紅茶を飲みながら冷静に言葉を返すジョゼフ。

范「やかましいな…」

「だね。でも楽しそうだし美味しそう！一緒に食べよう！」

手を引くフォルトゥナ。無咎は慌てながらも彼女と共に菓子の並ぶテーブルに向かった。