くねくね 4 ページ5
お爺さんが狂った笑い声を上げて林道の奥に消えて行ったのを見送った後、織田作は藤乃を背負うと反対の道に音を立てない様にそっと走り出した。
中也達も後に続く。
織田作に背負われている藤乃は冷や汗を流しながらぐったりとしている。
霊障干渉ダメージが大きかったらしい。
仕切りに目を抑えて声を漏らしている。
中「大丈夫か?」
「痛い……痛…ッ、目が……抉られる様な…」
藤乃の両眼からは大量の涙に加えて薄っすらと血らしきものも流れている。
谷崎が途中でハンカチを取り出し、藤乃の目に当てた。
「ありがとう…ございます…」
藤乃は弱々しく笑った後、織田作に最初この村に来た時の場所に向かう様、指示をした。
最初の場所に着くと、脇道に入る様に言う。脇道に入ると、小さな神社があった。
其処には一人の巫女らしき人が境内の掃除をしていた。
その人物は藤乃達に気付くと慌てて神社内に入れてくれた。
巫「はい、これで少しは楽になったんじゃないかしら。霊障がこんなに酷い子は初めて見たわ」
巫女の彼女は藤乃の両眼を綺麗な水で薄めたお神酒を含ませた布で優しく拭きながら微笑んだ。
「お気遣い、痛み入ります…。あの、この村のことを教えて頂きませんか?」
巫「…いいわよ」
彼女は真剣な顔で語り出した。
あの不気味な白い物体は視認し、どういったものか理解すると精神に異常をきたすこと、正体は未だ不明だということ、この村は既に終わっているということ。
太「そんなことが…」
巫「精神に異常をきたした人は、もう普通の人間として生きられない。見たが最後。狂った人間は、田んぼに話すしか道はない」
織「…じゃあ、あの爺さんは…」
中「もう、手遅れってコトだな…」
皆の顔が曇り、重い雰囲気が漂う。其れを見兼ねた巫女さんが、ぱんっと柏手を打つと
巫「まぁまぁ。出口は繋いでおきますから、早めにお帰りなさい」
と言った。藤乃は霊障に対して抗い続けたせいか、体力がない様で、織田作が再び背負った。
織田作の後を続き、脇道から出る。
其処には最初なかった道が出来ていた。
巫「此処を通って行けば帰れるわ」
太「ありがとうございます。あの…」
輪「輪音よ。これでお別れだけれど…気をつけて。お元気でね。さぁ、行った行った!」
輪音はそう笑って藤乃達を送り出した。輪音は最後まで手を振ってくれた。
気付くと、集合場所に戻っていた。
谷「あ…」
そして、彼の手にしっかりとストラップが戻っていた。
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大阪 - リクエストで、学校七不思議か、てけてけお願いします! (2019年4月10日 16時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)
文学少女(プロフ) - はい。一応文スト、という世界線なので、名も少し変化するかと判断して感じを変えました。それとリクエストありがとうございます!調べた後、書かせていただきます! (2019年4月10日 0時) (レス) id: 2d20336b29 (このIDを非表示/違反報告)
秦弓月(プロフ) - 安倍晴明の漢字が違うのは検索避けですか? また、リクエストで「22時48分の足音」と「のどがみさま」をお願いします。 (2019年4月9日 23時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
飴玉(プロフ) - 続編だ!応援してます!この作品大好きです! (2019年2月17日 19時) (レス) id: aea70470cb (このIDを非表示/違反報告)
新羅 - 続編おめでとうございます!楽しんで読ませてもらっています! (2019年2月16日 11時) (レス) id: 86749cca2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文学少女 | 作成日時:2019年2月3日 15時