くねくね 3 ページ4
谷崎が目を向けた方向に一同がその方向に目を向ける。
「ーーッ！？」
"それ"を視界に入れ掛けた藤乃の背を嫌な悪寒が走る。咄嗟に皆の目の前に護符を投げる。
その瞬間、護符から火花が飛び散り、男性陣が尻餅をつく。
護符は端から燃え、霧散して行った。
中「どうした八坂！？」
「"アレ"を直視しないでください！見たが最後です！！」
藤乃は目を抑えながら叫ぶ。
織「逃げるぞ！」
織田作は咄嗟に藤乃を抱き抱えると、反対側へと走り出す。皆もそれに続いた。
林道から茂みに飛び込む。そこにあったベンチに藤乃を寝かせると、皆座り込む。
太「なんとか隠れられたね…」
谷「なんなんだ此処…！？」
震える谷崎を織田作が慰める。中也が藤乃に話し掛ける。
中「…八坂、お前何を感じた？」
「……おぞましい、何か。視界に入れ掛けただけで正気を根底から崩されそうになりました…」
息切れをしながら答えると、皆が息を飲む。
「…恐らく精神、肉体干渉をしてくるタイプの怪異ですね…。かくいう私も霊視を持ってかれそうになりました…もしかしたら」
太「どうしたんだい？」
「あの怪異、私じゃなくて、谷崎くんを狙ったのかしら…」
谷「え！？」
藤乃の意見に谷崎がさらに顔を青くする。
「…あの怪異は見ただけで発狂する性質を持っています。それはあの村に住んでいる住人にとっても脅威。それに、谷崎くんと同じ様にあのお爺さんは臆病だと感じました。そして、恐らく怪異は人を識別できない」
太「なるほど。あの臆病なお爺さんを怪異はもともと狙っていたけど、目的の人かどうか識別まではできないから同じような臆病の谷崎くんを襲う要領で視界に入ろうとしたわけだね？」
谷「完全にとばっちりじゃないですか…」
「此ればかりはどうしようも。……え？」
藤乃がなおも目を抑えながら林道を睨みつけ、静かに、と呟く。
そして身を伏せると、恐ろしい叫声が響く。
爺『アハはははハハはハハハハははハハははははは！！！』
あの老人だった。
顔は歪な笑顔に変わり、ふらふらと足取りはおぼつかない。髪は乱れ、目は血走っている。
まさに狂人、だった。
目的地など無かろうに、そのまま林道の奥に進んで行く。
藤乃は霊視を持っていかれないよう、必死に抵抗していた。
全員に冷や汗が流れた。
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大阪 - リクエストで、学校七不思議か、てけてけお願いします！ (2019年4月10日 16時) (
レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)
文学少女(プロフ) - はい。一応文スト、という世界線なので、名も少し変化するかと判断して感じを変えました。それとリクエストありがとうございます！調べた後、書かせていただきます！ (2019年4月10日 0時) (レス) id: 2d20336b29 (このIDを非表示/違反報告)
秦弓月(プロフ) - 安倍晴明の漢字が違うのは検索避けですか？ また、リクエストで「22時48分の足音」と「のどがみさま」をお願いします。 (2019年4月9日 23時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
飴玉(プロフ) - 続編だ！応援してます！この作品大好きです！ (2019年2月17日 19時) (レス) id: aea70470cb (このIDを非表示/違反報告)
新羅 - 続編おめでとうございます!楽しんで読ませてもらっています！ (2019年2月16日 11時) (レス) id: 86749cca2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文学少女 | 作成日時：2019年2月3日 15時
